3話 採用にあたって
マギステルは決断した。そして、このシリウス・レナトゥスは、恐らく有史以来、最大の脅威となる将軍になると、そして、この国の民主主義を守る存在になると。
レナトゥスに対して、軍への採用を打診した。すると、このような返答が返ってきた。
私の艦隊に関して
マギステルの指揮権の直轄下に自分を配備すること。
また、マギステルが自分に関してすべての責任を負うこと。
自分の艦隊は、連合艦隊クラス以上(100,000隻以上)の規模で運用すること。
自分の艦隊は独立した指揮系統を持つこと。
自分の艦隊は従来の造船所ではなく、国立の新しい造船所を作り、その造船所をも艦隊に組み込むこと。
自分の艦隊について、マギステルの判断で、できる限り、すべての情報を公開すること。
私自身に関して
マギステルが私に関して全責任を負うこと。
その後、マギステルはこう言ったといわれている
「これこそ、奴にふさわしい扱いだ」と。
マギステルはレナトゥスを軍司令部へ呼び、対面で話し合った。
マギステルは質問した。
「この艦隊構想は、何を考えている?」
レナトゥスはすぐにこう答えた。
「将来的に私の艦隊のみで、この国を守ろうと考えております。また、私の試したい戦術を実行するには、これしかないと考えました。」
また問いを投げかける。
「次に君の責任能力に関してだ」
少し不安そうにこう言った。
「その前に一つお聞きしたいことがあります。この国の公安部はどこまで私の情報を知りえていますか?」
堂々とこう言った。
「実にすまない、私はその人間を現在の能力だけで判断する、過去は見ない。だから、君がいくら精神疾患を持っていようが、移民2世だろうが関係ない。そもそもこの国の理念は、どんな人間にも平等に機会が与えられるべき社会だろう?違うかい?」
また、不安そうに質問した。
「いえ、間違っておりません、私もその返答を待っておりました。しかし、この国の公安部でさえ私の年齢までは調べられませんでしたか。私は██歳で、まだ未熟です。本当に責任能力があるとお考えですか?」
「何度も言うが、私はそのような要素で人間を判断しない、だから、安心してくれたまえ」
「わかりました、しかし、形式上監視者くらいはつけた方がいいのでは?」
「好きなようにしたまえ」
「ありがとうございます。何分、私も不安でして、」
「それでいい、君は君自身が考えているより正常だ。その執拗に、不安を消そうとする思考が、戦いで活躍するだろう」
苦笑いしてこう言った。
「わかりました、ですが、正面衝突が起きる前に、それを回避したいものですがね。」
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