第6話

「イオリ様、ラク、モンスターです!」

「セレンありがとう、ラク、行くよ!」

「言われなくてもわかってるよ〜!」

「乱斬り!」


まず私が一番早く技を繰り出せるから乱斬りで行く。


氷雨アイスレイン!」


次に、セレンの氷雨でモンスターの体力を削る。


「斬撃波!」


最後に一番タメ時間が必要なラクの大剣の技でトドメを刺す。


グォォ


「よっし!」

「やったな!」

「はい!」

3人でハイタッチを交わす。

いい仲間ができた。


キラリラリン!


「お、きた!」


「おめでとう ございます!

 イオリ は レベル 4 になりました!」


「え、イオリ、まだレベル4だったの…?」

「ん?そうだよ?」

「私、もうレベル12だよ?」

「えっ」


「図鑑 を 出してください!

 武器 の 情報が 載りました!」


ラクはたぶん私よりも早く転生して来たっぽい。

レベル差もあるし、よく考えれば大剣を使いこなせているのもそのせいだと思う。


「ま、地道に上げていくといいよ。

 レベル=強さじゃないからね!」

「うん!」


すると、カツーン、カツーンと靴音を響かせながらこっちに来る足音が聞こえた。


「君たち、チームを組んだんだ。

 じゃあこのルーカスはいらないよね。」

「リタ!」


リタはつるで手足を縛られ、口にガムテープを貼られたルーカスの首根っこを掴んで持ち上げた。


「取り返してほしければこの地図に書いてあるラ    ンダムダンジョンの最深部ディープ・ラボへ来な。じゃ。」


リタは地図をひらひらさせてから落として、またダンジョンの奥に行ってしまった。

地図を拾うと、地下3階に最深部があり、地下2階、1階には階ボスが配置されていた。

セレンとラクが地図を両側から覗き込んできたから、二人に地図を渡す。


「ここは1階だね。たぶん今がこの辺だから、

もうすぐ階ボスが来るね。」

「そうですね。今のうちに回復魔法をかけておきますね。」


シャラリラリン!


「ありがとう。」

「俺は準備万端だからもう行けるけど、ラクとセレンは大丈夫?」

「おう!私は大丈夫!」

「私も大丈夫です。」

「作戦を立てよう。

まず、ラクが大剣の技を溜める。

その間に俺が短剣でモンスターに斬りかか  る。それでセレンは後ろで魔法をかけてくれ。

それをずっとループさせていこう。」

「わかった。」

「わかりました。」

「よし、いくぞ!」

「「「お〜!」」」


カッカッカッ。モンスターはどこだ?


グアァァァ!


おっ、いる!


「ラク!セレン!いくぞ!」

「おう!」

「はい。」

「乱斬り!」


モンスターはとても大きい。

私の短刀じゃ一部しか殺傷できないけど、ラクの大剣があればたぶん大丈夫だ。


竜巻トルネード!」


セレンは、セレンが今覚えている魔法の中で1番強い竜巻を呼び出した。

モンスターに5秒ほど竜巻が絡みつく。


金剛斬こんごうざん!」


そしてラクの大剣技がヒットする。


モンスターがこっちに向かって攻撃を出そうとしている。突進の構えに見える。これはたぶん避けられる。

……来る!


グアォォ!


私は間一髪で避け、突進の終わりの隙に短剣の技を連続で繰り出す。


「クロス斬り!千突き!」

氷雨アイスレイン!」


私の攻撃のすぐあとに氷雨が巻き起こる。


「衝撃波!」


ラクの大剣技も繰り出してと。

あ、またモンスターが動いている。


グォォ


モンスターは霧を吐き出した。くそっ、前が見えない。

どうしよう、モンスターとセレンとラクが見えないから無理に短剣の技を出してもセレンとラクに当たる可能性がある。

セレンの氷雨をもう一度打ってみよう。モンスターが悲鳴をあげてくれるかもしれない。


「セレン、氷雨だ!氷雨を打て!」

「はい!氷雨!」


グアォ


左だ。


「千斬り!ラク、こっちだ!」

「あいよっ!縦斬り!」


少しずつ霧が晴れてきた。モンスターの技が切れかけている。


トドメだ!


「クロス斬り!」

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俺、女だよ? きみとおさる @kimitoosaru

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