第4話

「…ん。おはよう」

「おはよう御座います、イオリ様。」


??

………あ。

私、転生してたんだった。

声低いんだった。

私、男なんだった。

寝ぼけて忘れてた。

そうそう。ここ、イレギュラーワールドの中だ!

頭が働くようになってきた。


「セレン、おはよう。朝ごは」

「こちらが朝ごはんです。」


言葉を遮られて少しむっとしたが、テーブルの上に豪華な朝ごはんがのっていたから良しとしよう。



「一晩ありがとうございました!」

「こちらこそ!またのお越しをお待ちしています!」

「よし、セレン、レベル上げするぞ!」


このゲームは、レベルを上げると新しい技を覚えたり、薬屋で買えるポーションの数や装備屋で買える装備が増えたりする。

今の私のレベルは1で、レベル2になると図鑑のステータスに載るようになる。

昨日のモンスターとの戦いでレベル2寸前になっていると思うから、あと一匹モンスターを倒せばレベル2になるだろう。

レベル5まではチュートリアルの中なので、

レベル3になればモンスターの種類が図鑑に載るようになり、レベル4になれば図鑑に武器の種類が載るようになる。

レベル5になると、小屋の中に宝石屋ができて、属性の付いた攻撃が打てるようになる魔法石を買えるようになる。

次の街に行くまでにはレベル5になるだろう。


「イオリ様、モンスターです!」

「あ、うん」


私は素早く短剣を構え、モンスターに突撃した。

新しく覚えた技も使ってみよう。

「クロス斬りっ!」

お、結構手応えある。

「千突き!」

あと一息!

「乱斬り!」


グアァ


「よしっ!」

「あの……イオリ様、私、何もやってないのですが…」

「あ、セレン、ごめん!」

「お気になさらず。」


キラリラリン!


あ、レベルアップの音だ。


「おめでとう ございます!

 イオリ は、レベル 2 になりました!」


どこからか機械音声が流れてきた。


「図鑑 を 出してください!」


言われるがままに図鑑を出す。


「図鑑 に イオリ の ステータスが 

 載りました!」


知ってる。

機械音声は聞こえなくなった。


モンスターは、恐竜の爪と30Gをドロップした。恐竜の爪は食材にはならないが、何レベルかで武器開発や武器改造ができるようになったら使えそうだ。

イレギュラーワールドのこのストーリーモードはレベル7までしかやっていなかったからそこから先はわからないが、逆にレベル7までなら大体覚えている。


あ、またモンスターが現れた!

「セレン、行くぞ!」

「…はい。」

「セレン、まずセレンが魔法をモンスターに打ってくれ!その後に俺が行く!」

「はいっ!氷雨アイスレイン!」

「乱斬り!」

私は氷雨を避けながら技を繰り出した。

氷雨は雨だから避けるのには結構難しく、2、3粒当たってしまったが、短剣でカバーできた。

モンスターも、同時に技を浴びせられて嫌そうだ。

「千斬り!」

やったか?!


グオォ


「よっし、やったぞ!」

「はい!」


キラリラリン!


「おめでとう ございます!

 イオリ は、レベル 3 になりました!」


お、またレベルが上がった。


「図鑑 を 出してください!」


また図鑑を出す。


「図鑑に モンスター の 情報が 載りました!」


よし!


図鑑を見ると、今倒したモンスターはガブサウルスというモンスターらしい。

図鑑によると、体は大きいが鈍くて弱いと書いてある。まだまだ最初の草原だからしょぼいモンスターだけど、頑張らなきゃな。


「よし、セレン、まだまだレベル上げするぞ!」

「はい!」

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