第2話

「イオリ様、地図は持っていらっしゃいますか?」

「あ、いや、持ってない」

「じゃあ私の地図を差し上げますわ。」

「あ、うん」


ゲームの中の女性なのに、私とは同性のはずなのに、なんか緊張する。

自分の声が低いっていうのも違和感しかない。


「あ!イオリ様、装備はどうしましょう。」

「!そうですね。」


今の装備は初期装備の布の服、布の靴、木の剣だ。これじゃ、この最初の草原ファーストステップで湧くモンスターでも一苦労だろう。

手持ちのお金は1000G。この世界では、G《ゴールド》がお金の単位で、100Gで布の服が買えるくらいだ。

小屋には装備屋と宿屋と薬屋がいる。


「とりあえず、小屋に行こう。」



「こちらが商品でございます。」


装備屋の中。

見せられたのは、

150Gの革の服、革の靴。

200Gの毛皮の服、毛皮の靴。

150Gの鉄の剣。

150Gの鉄の短剣。

200Gの鉄の大剣。


剣は初心者向けで、扱いやすい。

短剣はすばやく動ける人向けで、軽くて、すぐに攻撃できる。

大剣は力持ち向けで、機動性はないが、重い斬撃で攻撃することができる。


私は小柄な方で、観察眼が良く、周りをよく見ながら行動できるとよく言われる。

短剣は周りの人と技を合わせて攻撃しやすい。

私は短剣が使えそう。

あとは服と靴だ。

毛皮の服と靴を買いたいけれど、ポーションを買うお金と、宿屋に泊まるお金がなくなってしまう。。毛皮の靴は、革の靴より軽く、疲れにくい。

毛皮の服は暖かくて、ふわふわな着心地。

って店員が言ってた。

よし、くつだな。


「短剣と、毛皮の靴、革の服をください。」



次は薬屋だ。


「いらっしゃいませ!こちらが商品でございます〜」

見せられたのは、

25Gの毒消し草、目覚め草、

50Gの50体力回復ポーション、

100Gの100体力回復ポーションが売っていた。

体力回復ポーションは何個あってもいいけど、宿屋のお金も考えなくちゃいけない。

確か宿屋の1泊の料金は2人で200Gだった気がする。

だから、とりあえず今日の分の200Gは残しておいて、300Gつかえることになる。

毒消し草と目覚め草は1つずつ買っておこう。

100体力回復ポーションを2つ、

50体力回復ポーションは1つ買おうかな。


「これ、お願いします」


一回外に出て、気候を確かめよう。

もう夜になっていたら危ないから宿屋に行こう。まだ明るかったら少しモンスターを狩ろうかな。


ガチャ


夕方になっている。微妙な時間だ。

セレンに聞くか。


「セレン、モンスター、狩りに行きたい?」


「別に、一匹くらいいいですよ。でも私、魔法使いの種族なのであまりサポートはできないとおもいますが…」


「狩りに行くか〜」


草原はすごく広い。

最初の草原ということもあって、そんなにモンスターは湧かない。


ポンッ


あ、湧いた。


「セレン、いくぞ!」

「はいっ!」


まずは短剣で素早く前に動いて斬りかかる。

モンスターのうしろに回り込んで後ろで十字斬り。モンスターがうしろに振り向こうとするが、俺もモンスターと同じように動いてうしろに行く。そこでまた十字に斬りかかる。


「セレン!モンスターに火の魔法をかけて攻撃してくれ!」

「はいっ!火矢フレイムアロー!」


火矢に当たらないように避けながら正面に行き、モンスターを千切りにする感じで斬る!


グアァ


「よしっ!」


モンスターが狩れた。

モンスターは塵のように消えて、モンスターがいたところにGと食材が落ちていた。


「20Gですね。」

「食材はゴブリンの肉か…」


「おおすばらしい。見事な戦いだった!」


声の主を探すと、うしろに怪しいおじさんがいた。


「そんなあなたたちにモンスター図鑑と食材入れを授けよう!さらば!」

「……」


まいっか。

食材入れにゴブリンの肉を入れて、宿屋に行った。



「では、ごゆっくりどうぞ。」


二人同じ部屋で、これから寝泊まりするらしい。

なんか、緊張する…。


「あの、イオリ様、お風呂に行ってきてもよろしいですか?といってもこの部屋にくっついていますが。」

「ああ、いいよ」


まあ、宿に来たことだし、ステータスでも見るか〜

確か怪しいおじさんにもらった図鑑に自分のステータス載るんだよなあ。


『名前 イオリ

 職業 ???

 武器 短剣

 狩ったモンスターの数 1

 使える技 十字斬り

 相方 セレン

 食材 ゴブリンの肉

 行った街 ???』


そんな感じか…。

確か、宿屋の中に鍛錬場があったはず。

行ってこよう。

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