第10話

第十話 【ウェーブルーラー】[波長支配]

「というか、何であなたは私達に付いてくるんですか?」


俺はウェーブルーラーに問いかける。


「久しぶりに現世に仲間に会えたんだもの。そりゃあ話したくなるよ。」


「あのぉ現世ってなんですか?」


ハミーは俺に聞いてくる。


「あぁあ、俺達はいせか、、、」

「それは僕とダークエネルギーの秘密だ。」


そうウェーブルーラーは遮り、口に人差し指

をあてる。


「へぇえ、そ、そうなんですね。」


ハミーはどこか顔が引きつった様子だったが、まぁ、いいだろう。


ウェーブルーラーは俺の腕に手を絡めて俺をからかってくる。


これじゃぁ心臓がいくらあっても足りないよぉ。


俺はウェーブルーラーに絡みにドギマギしながら、敷物を畳む。


そして、荷物をしまうと俺とハミーは空にそれぞれ飛び立つ。


「待ってよー」


ウェーブルーラーも虹色の翼を広げながら、俺達に付いてくる。


すると「あそこがキャメリアです!」


「空を飛ぶとあっという間だなぁ。」


ようやくルビラスタ王国の首都、キャメリアが姿を現した。


「おっ先ーーー!」


ウェーブルーラーが虹色の翼を大きく広げ、急降下する。


「あっ、待ってください。お姉様!」


「おいおいちょっと、、、、」


それに続いて、ハミーと俺も急降下する。


翼は空を切り裂き、雲の切れ目から少しずつ街の様子が垣間見えるようになる。


「立派な街ですねぇ!」


「思ったよりも整備されてるんだな。」


「そうでしょそうでしょー!」


ウェーブルーラーは自分のことのように自慢気だ。


ウェーブルーラーと共に上空を飛んでると、

一騎の竜にまたがった騎士が近づいてくる。


「ウェーブルーラー様と、お付きのものですね。どうぞ入って結構です。」


「顔パスなんだな、、、」


俺はウェーブルーラーに感心する。

「何で、そんなに魔術を習得できたんだ?」


「実は僕はギフテッドでね、、、子供の頃から覚えはいいんだ。」


「それでも、波長を自在に操る力があるだろ?」


「探究心だよ!この世界を知ろうとして実験に明け暮れてたら、魔術革新を起こしちゃって、、、今じゃ宮廷の専属魔術師なんだけど自由な時間がなくてこうやって偶に抜け出してるんだ!」


「すっすごいな、、、この世界で言う量子力学を発見したくらいの栄誉か、、、まるで異世界の主人公、、、」


「君は今まで何をしてたんだい?」


そうウェーブルーラーは問いかける。


「そう言われると答えづらいが、、、俺は知能指数も平均以上天才未満で中途半端だし、今までは村を救ったり、アンチマターから逃げたり、あんまり活躍、、、というか活躍しないほうがいいんだよ。のんびり異世界ライフしたいからさ。」


ウェーブルーラーはニヤリと笑うと、

「君はうちの姫さんとかアンチマターに関わっているんだね。じゃあのんびり異世界ライフをおくることはできないかも、、、それに、僕がそうさせない。」


ウェーブルーラーは手を銃の形にしてバンッと俺の方に向ける。

俺はお決まりの「うわぁ」と撃たれた演技をして、ウェーブルーラーは満足そうに微笑む。


そんなこんなで俺達は王都に到着し、地面に着地する。


「僕がキャメリアを案内してあげるから。」


そう促され、ハミーと俺を案内する。すると、

真ん中の城から誰か人影が現れる。


「あれは誰?」

「君のことを追っかけているお姫様だよぉ。まぁ今回はここに来ていることは黙っておいてあげるから。」

「あ、ありがとう。」

「王女様に追っかけられてるなんて、、、流石師匠です!」


そうハミーに褒められながら、城下町を散策する。

「ウェーブルーラーは裏の情報とか分かる場所知ってる?」


「アンチマターのこと?アンチマターは宮内庁も警戒してるから、情報提供してあげる。でも、ただでそんなことをしたら情報漏洩になっちゃうから、せめて王女様に会ってからでもいいんじゃない?まぁ、王女様に直接謁見するなんて普通の人生じゃありえないことなんだけど、、、」


「仕方ない、、、あの王女様に会おうか。」


「それじゃあ早速王宮へと向かいましょうか。」


ウェーブルーラーは俺達を連れて王宮へと歩を進めた。

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