第8話
第八話 新たな仲間
俺は安全地帯に着地すると、ハミーを地面にそっと下ろす。
「情けないなぁ。あんな野郎から逃げ出すなんて、、、いくらハンデがあったとはいえ、、、」
そう言いながらハミーを眺める。
すると突然
「わあーーーー」
「あぁーーーーーーー」
ハミーが大声をあげて飛び起きる。
俺もつられて叫んでしまった。
「わたし、無事?死んでないよね?」
そう必死に問いかけるハミーに
「大丈夫、大丈夫。生きてるから。」
と俺は宥める。
「良かったぁ」
ハミーは心底安心しているようだった。
しばらくして、
「さっきは助けてくれてありがとう。」
んっ?なんのこと?
「あのアンチマターっていう人?私だけなら殺されてたと思う。またあなたに命を救われたね。」
そうハミーは話す。
「いや、アンチマターは俺が目的だった。だから、むしろ俺が謝らないといけない。俺がアイツを呼び寄せたもんだからな。」
「でも、私を足手まといなのに救ってくれた。でしょ?」
しばし沈黙が流れる。
「あの、お願いがあるんだけど。」
ハミーがそう切り出す。
「私の家は、アンチマターが吹き飛ばしちゃったし、帰るところがないの。だから、、、」
「それなら心配ない。俺の知ってる村に、、、」
「そうじゃなくて、私をあなたの弟子にしてほしいの。」
さらに沈黙が流れる。
「えっ、、、、、、、いやハミーさん。なんでまたそんなこと?私はあなたの師匠になる器じゃ、、、」
「そんなことない!」
ハミーはきっぱりと否定する。
「あなたはもう2度も命を救ってくれた。そして私は自然魔力の研究で、あなたのダークエネルギーについて学びたい。知っていることを教えてほしい!理解することができるかはわからないけど、がんばるから。お願い!」
ハミーは深々と頭を下げる。
弱ったなぁ。どうしたらいいんだろう。
俺は少し考える。
「ハミーって料理できる?」
「料理?」
ハミーは不思議そうな顔でこっちを眺める。
俺は今まで家庭科自習でも何においても、何故か皿洗いに回って、調理する機会は誰かに乗っ取られてきた。
つまり、俺は料理が下手だ。
「料理を代わりに作って、あわよくば教えてくれるなら、いい、、、かな。」
「料理なら任せて!自炊はお手の物だから!」
ハミーは胸をどんと叩く。
「それじゃあこれからよろしくな。」
俺はハミーに手を差し伸べる。
ハミーはその手を取り、
「お願いね。師匠!」
そうハミーは返してくれた。
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