第4話
第四話 機関車襲撃
機関車が大きく波打ち、揺れ、大きく脱線する。俺は咄嗟に機関車から離れ、難を逃れる。
「何が起こったんだ?一体?」
俺は戸惑いながら機関車の先頭に目をやると、自分で言うのも何だがいかにも怪しい男たちがこちらにやってくる。
「ちょっと様子を見てみるか、、、」
俺は草むらに隠れて、男たちの様子を伺う。
男達は途中の客車には目もくれず、最終尾に向かってくる。
「盗賊ではない?王女様が目的?」
俺は思慮を巡らせる。
そして男達が最終尾に到着する。
そうすると中からさっきの近衛が頭から血を流しながら、
「さっきの変な奴といいお前たちといい一体何なのだ。」と問いかけるのに対し
俺は「変な奴じゃねーよ。」
と心の中で反論する。
が
「ぐぁあああ。」
その男たちは近衛を呆気なく切り捨てる。
「、、、、、、、ひっでぇ。」
このままじゃ王女様が、、、
俺は気づかれないようにそおっと横倒しになった車両の上に登る。
「やっと見つけたぜ、王女様よぉ。わりぃが死んでもらうぜ。」
と早速斬り殺そうと、、、
させるわけにはいかない。
俺は波動で男を吹き飛ばす。
「なっ、何だてめぇは?」
「、、、私はダークエネルギー、、、というものでして、、これからよろしくお願いします、、、。」
俺は緊張して変な挨拶をしてしまう。
「あなたは、さっきの。」
王女様がこちらを見る。
そんなことは構わず、
もう一人の男と話す。
「そちらはいったいどこの誰なんでしょう?」
俺は問いかける。
「クッ、、、俺達は解放連合!圧政を覆し、市民を開放する結社だ!」
解放連合?民主主義の急進派、いや過激派ってところか、、、
「それで、この王女様を襲ったと?」
「そうだ。このクソ女の親父はいろんな国々に戦争ふっかけて、俺達民衆のことは目にもくれねぇ。そんな奴らをほおって置けるか!」
王女様の方を俺は見やる。
王女様は少し悲しそうな顔をしていた。
俺は話を続ける。
「俺は確かに民主主義は好きだ。だけど目に前の人が死ぬのは、、、なんか嫌なんだ。」
「綺麗事を、、、邪魔ダテするなら、、貴様も倒す!」
男は銃を向けるが
その前に俺は波動を放ち、男を客車の外へ吹き飛ばす。
俺は王女様の方へと近付く、王女は少し警戒していたが、
「えっっと。こういう時はどうすればいいのかな。」
俺は少し迷うと、
「改めまして姫君、大丈夫ですか?」
王女様は少し、戸惑うが羨望の眼差しで見つめる。
そんな目で見られるのは初めてだな。なんか感動するぅ。
「何だ貴様は?」
急に現実に引き戻されて少しガックリするが、まだ襲撃犯はいたようだ。
俺は王女様を抱え、背中の翼を広げ、客車の中か飛び出す。
そして王女様を降ろすと、
男たちに向かい合う。
「クッソ、こんなことしてただで済むと思うなよ。俺達にはアンチマター様がついているんだ。」
アンチマター? まさか反物質、、、この異世界でそんなことを知っているとしたら、、、
同じ被験体になった仲間がこの異世界に飛ばされているのか、、、
「あのー、そのー、そちらのボスに会わせてもらうことってできませんよね、、、」
男達は面食らったようだが、すぐに正気、いや、怒ってる、、、、?
「てめぇ、舐めてんのかぁああああ?」
男達は一斉に飛びかかってくるが、俺は空間の密度を小さくして今度は瞬間移動する。
そして、
男の一人の背後に回ると、顔面を一発殴ってみる。
「クソッタレがぁ !」
男はすぐに振り返って襲いかかってくる。
まぁ今まで人の顔なんて殴ったことないからなぁ。
俺は脳力頼りを深く自省し、見えない壁を作る。剣は宙で止まり、焦った隙に、俺は波動でまた一人また一人と吹き飛ばす。
そして翼で飛び上がり、最後の一人の渾身の一撃を躱すと、空から翼で、その男めがけて叩き下ろす。
男は地面に叩きつけられ、正気を失った。
俺は戦いで体力を使い、思わず倒れ込んでしまった。
「大丈夫?」
「平気です。ご心配なさらず、、、」
俺はそう言って立ち上がろうとするが、
力が入らない。
その隙にお姫様は膝枕なるものを、、、してきた。
って、エエエえええー
待て待て、やばいってどうしたらいいの〜
俺は戸惑い目が離せない。
「あのぉ~王女様。これはー?」
「貴方は私の恩人です。あなたをこのまま返すわけには行きません。」
前世でも彼女なんてできたことはない。
このシチュはあまりにも想定外すぎる。
俺はあたふたしていると
「あら?かわいい。そんなに私から逃げたいの?」
そう王女はイジってくる。
「いやぁ、そういうわけではないですけれども、、、」
俺は嗜虐の瞳で見つめる彼女に背筋がゾッとし、
俺は
「あっ敵が!」
王女様は驚いて俺が指を指す方向に視線をやる隙に、俺は姫様の膝枕から逃げ出し、重力波でできた翼を全開にして、飛び立つ。
「ひっ卑怯です!!」
王女様はそう膨れる。
俺は「おっお姫様、、、すみませんが今日はこの辺で、、、きっ気をつけておかえりくださーい!」
俺はろれつがまわらず焦りながら、一目散に逃げていった。
残された姫君は溜息をつくと、舌舐めずりをし、「見てなさい、いつか貴方を捕まえてやるわぁ。」と
そう意気込むのだった。
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