第42話
「え、本当にいいの!?」
放課後、僕らがPC部に行き入部届を出すと柊先輩は嬉しそうにこちらを見ている。
「はい、二人がよければですけど」
「もちろん! ね、海くん」
「入りたければすきにしろ」
そっけなくそういう会長は少し嬉しそうな顔で僕達を見てくる。
この人はもしかしたらいい方はあれだけど、根はいい人なのかもしれない。
「もう、素直じゃないんだから!! ごめんね、海くん口は悪いけどいい子なの」
頬を膨らまし、会長にそう言うと柊先輩はこちらを見て謝ってくる。
その光景は彼女の雰囲気も相まって素直に謝れない男の子とその母親の雰囲気だ。
「はい、受け取りました」
書類を確認すると、柊先輩は嬉しそうに鼻歌を歌いながら見ている。
「よかったわ、これで廃部にならずに済むし」
「そっか、僕達が入ったから六人になったんですね」
部員が規定数に満たない場合、部活動として認可されないのだろう。
「うん、規定数五人だからこれで先輩達の続けてきた部活動を続けられるわ」
聞けば、三年生が卒業して部員二人になったらしい。
「他にもいっぱい居たんだけど」
あ~、なんとなくわかる。
生徒会長は自分の意見をはっきり言うので、皆辞めてしまった感じなのだろう。
「何が悪かったんだろうな」
意味が解らないといった感じで見てくる柊先輩に会長は言い放つ。
「ま、でもとにかくこれで先輩方の守りたかったPC部の存続が決まったわね」
「そうだな」
「それじゃ、これからよろしくね」
「「「「はい、こちらこそ、よろしくお願いします」」」」
そう言って僕達の楽しい部活動が幕を開けるのだった。
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PC部に入り、入部届を出すとおっぱいお化けは嬉しそうに飛び跳ねながら嫌がらせの様に揺らしています。
何ですか、その揺れ具合、私に喧嘩を売っているようにしか思えません。
不愉快です。
まさくんの視線は……有罪です。
なんとなく見ている気がするので有罪なのです。
理不尽?
そんなわけありません。
私の中の裁判官が検討に検討を重ね、決まった正統なる審議の結果です。
決して私の私怨なんてありませんとも、ええありません。
そしてどうやら、これで廃部は取りやめになったそうです。
よかったですね、私が言ったからこの部活は廃部を逃れることが出来たのですから。
私に感謝するべきです。
「それじゃあ、皆よろしくね」
仕方ありません、私が言い出したことですし彼らが卒業すればここは私の拠点となるのですから一年くらいは我慢してやることにします。
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