第40話
どうしよう……。
今のもし、
どっちなのだろう?
明美の顔を見るが、可愛らしい笑顔を向けてくるのでどちらか全くわからない。
「……大丈夫?」
明美が僕の顔を覗き込んでそう言ってくる。
本当に、どっちなのだろうか?
しかし、それを聞いてもし聞いてなかったら誤爆で自爆だ。
「そう、ゲームの話してたんだ」
「へぇ~、何の?」
僕の発言に高田さんが聞いてくる。
今、その言葉は必要とはしていない。
そもそも、深く掘られれば赤羽との辻褄が合わなくてばれてしまう。
それに、赤羽がゲームをしない場合これは全くといっていいほど成立しなくなってしまう。
「面白いゲームないかって聞いてたとこ」
「へぇ~、成田君ゲームするんだ」
えぇ、それはもうありとあらゆる美少女ゲームをやってますとも。
「あぁ、少し嗜む程度にな……」
「やってるゲーム、見せて見せて~」
困った、非常に困った。
女子に見せて困惑させないようなゲームが無いわけがなかった。
僕のやるゲームはほとんど美少女のみが出てくる系のゲームなのだ。
「えっと……」
あれにするか、う~んでも……。
「それで、何か用があるから来たんじゃないのか?」
ナイス、赤羽!!
今ので話題をすり替えられた。
「あ、そうだった……私達PC部に入るんだけど、二人はどうする?」
その言葉に衝撃が走った。
明美が部活に入りたいと言ったからだ。
「本当か、明美……」
「うん、まさくんが入ってくれるならだけど……」
感激だった。
明美が自分から入りたいといった事が無かった。
彼女がやりたいと進言したのなら、僕が断る理由がない。
自発的にやりたいのなら、やらせてあげるべきだ。
「……わかった、入ろう!!」
「それじゃあ決まりだな、俺も入るよ」
「いいの? 運動部」
「別にいいさ、運動部よりお前らといる方が楽しそうだし」
なんか、青春ラブコメのキャラみたいなこと言いだした。
「それに、あの美人で巨乳な先輩に会えるなら汗臭い男子の部活よりよっぽど楽しみじゃねえか!!」
……うん、違った。
こいつは只の欲望に忠実なだけだった。
僕の嬉しさを返せ。
明美は変態を見るような目で、高田さんはゴミでも見るような目で彼を見ている。
ある意味、教室でしかも女子の前でこんなこと言えるこいつは勇者なのかもしれない。
「成田君、じゃあこれ渡しとくね」
「俺のは?」
「才斗のような邪な奴はPC部には要りません」
高田さんの鋭い視線と後ろで首振り人形のように明美は首を縦に振っている。
「そういうなよ、そんなんじゃモテねえぞ」
「あん?」
そう言っていると、チャイムが鳴った。
「それじゃあ、放課後入部届出しに行くから記入よろしく!!」
そう言って彼女は明美と席に戻っていった。
振り返りざまに彼女は口パクでまた後でと言って手を振るので僕はふりかえした。
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続々新作登場のお知らせです。
新しい作品が1月29日23時から投稿しております。
同じくラブコメ系なので、そちらの方も一度見てくださると幸いです。
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