第7話 面倒の極みと乙女心です

 全てのプログラムが終わり、私はようやく解放されました。

 あの後も、あの獣はずっと喋りかけてきて正直鬱陶しいの極みです。

 二度と関わりたくありません。


 私はまさくんと待ち合わせした場所へ向かいます。

 場所は出口の上に上がる階段で待ち合わせした。

 そこは体育で使うであろう場所で誰もいないだろうとのことなので待ち合わせ場所をそこにした。

 私が出ていくと、見ず知らずの子たちに話しかけられる。

 恐怖です。

 だってそうでしょう、見ず知らずの人にいきなり頑張ったねとか近くで言われても怖いだけです。

 例えるなら、いつもの帰り道に知らないストーカーが話しかけてきたくらいの恐怖です。

 しかし、私の心臓はそんなに弱くありません。

 だから笑顔で皆に言葉を返してその場を抜けます。


 まさくんが待つ場所へ向かうと、彼は階段の段差で座っていました。

 

「頑張ってたな」


 彼は私に優しい表情と声で褒めてきます。

 彼のこういう気遣いが出来るのは称賛に値します。

 世の男子は彼を見習うべきです。

 そして、私をもっと褒め称えるがいいのです。


「うん、恥ずかしかったけど頑張った」

 

 全然恥ずかしくなかったですが、こう言っておきます。

 そして、校門の近くにある掲示板に彼と共に向かいます。


 なんてことでしょう、高校に入ってさえも同じクラスとは……これはもはや運命!!

 私を守る為に貴方は存在しているといってもいいと思えるほどです。

 小中と同じクラスで高校でも同じクラスとなると怖い気もしますが、どうってことはありません。

 私は彼を信じています。

 長年の付き合いで、その忠犬っぷりは私の折り紙つきです。


「ほんと、偶然って怖いよね~」

「本当にな~」


 でしょうね~みたいな、わかってましたよ~っといた顔は流石に腹が立ちます。

 不快です。

 せっかく私とまた同じになれたのだからもっと喜ぶべきです。


 だけど、これでまさくんの近くに居れば猛獣や恋愛お化けと関わらなくて済むのは利点……でかしたぞ、まさくん。


「またよろしくね、まさくん」 


 私を守ってね、まさくん。

 そう意味も込めたが、彼は絶対気づいていない。


「あぁ、よろしくな」


 握手をします。

 まるで飼い主にお手をする犬の様です。

 お似合いです。

 

 学園生活は早くも苦難と苦痛の連続ですが、私はまけません。

 必ず平穏な学園生活を送って見せるのです。


 それにはこれからの学園生活も互いにウィンウィンに過ごしましょうね、まさくん。


 そう心の中で私は彼に言い放った。

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