第2話 ダメ男
少し早くつきすぎたかな……。
私事、真田明美は今日女子高生になります。
いわゆるJKって奴です。
JKと言えば聞こえはいいが、少し学年が上がっただけで身体は成長するわけでもないのですが。
女子は肩こりが酷いというが、私にとっては無縁の存在です。
なんせ私はまな板のままだから。
自分で言ってて悲しいが、全くといって良いほどないです……しょぼん。
はぁ~。
他の女子高生を見ると、最低限の膨らみがあるのにどうしてか自分のものには膨らみがないのか、神に対して怒りを覚えてきます。
別にもてたいとか、そういうのではないどうしてかないです……只、ない物を欲しがる人間の欲求が私にもあるので、せめて崖から平地くらいにはなってほしいとせめて願っているだけなの。
まさくん、遅いな。
今日は初めての登校なので、私は早めに出ようと提案していたのに時間を過ぎても来ないです。
寝坊かな。
もう少ししたら、彼の家に行ってみようと思います。
合鍵は持っているので、いつでもたたき起こしに……私にそんな度胸はないので、はい……揺すり起しに行くとします。
そんなことを考えていると、元気よくその男の子は姿を現しました。
悪びれる顔もせず、ご機嫌そうな彼にしばいてやろうかと思いましたが、私は優しいので笑顔で彼に挨拶します。
「おはよう、まさくん」
「おはよう、あけみ」
集合時間を過ぎて謝らない彼に対して少し苛立ちを覚えましたが、私は優しいので流してあげます……私ってば優しい。
「今日はご機嫌だね」
「そりゃそうさ、心機一転……新しい場所で新しい生活が始まるなんて、そりゃ楽しみだろ?」
「う~ん、私はちょっと不安かな」
正直、私みたいな子は女子からすれば疎ましい存在でしょう。
私も女子が嫌いです。
正直、派閥だのなんだのくだらない縛りがあるくらいなら一人で居る方がかなりましです。
どうせなら男の子に生まれたかったです。
そんなことを考えていると、余計に学校に行く気が無くなります。
しかし、行かないと両親や教師たち大人に迷惑が掛かってしまいます。
私が少し我慢すればいいだけなので、我慢していくことにします。
「友達出来るといいな」
能天気で茶化すような言い方に苛立ちを覚えます。
彼は駒です。
私を守るための非常に大事な駒です。
いわば女王を守る
いつでも私は彼を処刑できます。
「そんなことを言うまさくんには、今日のお弁当あげな~い」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます