腹黒彼女とモブ男子のお話
ゆうき±
第1話 心躍る新生活
「用意は大丈夫? 忘れ物はない?」
「大丈夫、行ってきま~す」
元気よく扉を開け、
みんな、この状況で憂鬱などありえない……新しいことは皆、不安と期待で心躍ると相場が決まっている。
まあ、この後が不安と絶望となる可能性も十分あるが、いいことがあると信じよう。
そう思いながら、歩いていくと見知った女の子が立っていた。
「おはよう、まさくん」
ニコッと可愛らしく笑う彼女は、どこか儚げで守ってあげたくなる系女子だ。
「おはよう、あけみ」
笑顔で返すと、明美と共に歩き出す。
「なんか今日はご機嫌だね」
「そりゃそうさ、心機一転……新しい場所で新しい生活が始まるなんて、そりゃ楽しみだろ?」
「う~ん、私はちょっと不安かな」
えへへっと指で彼女は頬を掻きながら苦笑いを浮かべている。
彼女は人見知りで、話す際は僕が居ないと緊張してアタフタして黙ってしまうというコンボが多い。
しかし、彼女は可愛いので男子が大勢寄ってくるので明美のお母さんから「変な虫が付かないように、見張ってて!!」と言伝を受けている。
僕と同じ高校なのも、彼女が心配だからと本来彼女のレベルより下の高校を受けさせたくらいだ。
僕も一応、その大勢の内の変な虫とは思わないのだろうか?
まぁ、信頼されているのが嬉しい人間などいないだろうが、過大評価すぎる気がするのは気のせいではないはずだ。
っというか誰に言ってんだ、僕は……。
「友達出来るといいな」
そんな事を思いながら、明美の不安を解消するように茶化す感じで彼女に言うと、彼女は頬を膨らませてプイっと顔を背ける。
「そんなことを言うまさくんには、今日のお弁当あげな~い」
それは困る。僕の生命線にして、
これを絶たれては、今日のご飯は無しという事になる。
「ごめんなさい、あけみ様」
「全く、自分の立場をわきまえて物を言うようにしてよ」
この子、最近僕に対して少し辛辣になってきた気がする。
理由は思い当たる節が多すぎて、どれが原因かわからないくらいだ。
まぁ、胃袋を掴まれている時点で、僕に逆らう権利はないのだが。
「全く、お金全部ゲームに使っちゃうとか……少しは外で遊びに使わないの?」
「そもそも、遊ぶ友達がいない!!」
「言い切ったよ、まさくんそれでいいの?」
「お前さえいてくれれば、それでいい」
明美のご飯という生命線があれば、僕は今日もゲームに勤しみながら生きていける。
明美神に感謝じゃ~。
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初めましての方、僕の他の作品を読んでくださってる方……読んでくださってありがとうございます。
これも長期掲載していく予定なので、よろしくお願いします。
ラブコメ系初挑戦なので、至らないところだらけとは思いますがどうぞ応援していただけると嬉しいです。
これからどうぞ、よろしくお願いします。
フォローや応援レビューなど戴けると励みになりますので、無理しない範囲でよろしくお願いします。
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