第8話 人造天使 ・・・

  人造天使の夢見る夜は

  彼方で星が生まれ出る

      人造天使の舞う夜は

      銀砂の空に風が吹く


星屑集めのできそうな

銀の河畔に佇んで

人造天使は見つめてる

星と星との出会いの場面


      人造天使は泣いていた

      真の天使になり損ね

      銀河を渡る舟がない

      涙一粒銀河に落とす


人造天使は知っていた

原子で動く自分の胸を

人造天使は憧れていた

銀河の果ての楽園に


      銀河の果ての楽園は

      真の天使の世界という

      真の天使になりたくて

      人造天使は考えた


人造天使は微笑んだ

銀河のほとりにひざまづき

自分の胸を引き裂いて

原子の心臓かなぐり捨てた


 人造天使の血があふれ

 銀河が真っ赤に染まる頃

 人造天使は向こう岸

 自分のなきがら見つめてた



                 ─── END ───



























  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る