おねえちゃんにたっぷり愛される

 お姉ちゃんのリレーが終わり、三年生が終わり、学年対抗リレーは幕を閉じた。


 終始お姉ちゃんが走るときは、別の歓声が湧いていたが、その度に女子達が攻撃をしていた。


 リレーが終わると、校長先生の挨拶。

 あとは解散を告げられ、全員が心地よいダルさと共に帰宅していた。


 ボクは帰るころには、ぐったりして、車の中で寝ていた。

 カリンさんと話す前に、お姉ちゃんがおんぶをしてきて、そのまま車で帰宅。


 長い一日だった。


 *


 家に帰ると、ボクは玄関で座った状態で、おねえちゃん二人に抱きしめられていた。


「あの、お風呂、入りたい」

「ええ。その前に、ランからのご褒美です」


 首筋の臭いを嗅がれて、ボクは縮こまってしまう。

 だって、汗臭いに決まってるからだ。


 反対側からは、お姉ちゃんが指を絡ませて手を握り、顔と顔を擦り合わせてくる。


「今日のレンはカッコ良かったわ」

「全然、ダメだったよ」

「そんなことないの。惚れ直したわ」

「うっ……」

「あ、違う。レンが、その、あたしを好きなのは変わらないわ。でも、もっと思いに応えてあげていいと思ったの」


 二人から臭いを嗅がれて、ボクは居た堪れなくなった。


「く、臭いよ?」

「ええ。臭いです。スゥ、ハァ……。ほんとに、臭くて、スゥ、……ずっと嗅いでいたいです」

「あ、安城さん、やめて」


 首筋から胸の臭いを嗅がれたので、顔を押し返す。

 その手を取られ、今度は脇の臭いまで嗅がれる。


「臭いわ。他の男なら、屋上から突き落としてるところよ」

「怖いよ。臭いだけで突き落とされたら、キツいってば」

「レンのだから、いいの。言うほど、嫌な臭いじゃないし。スン、スン、ああ、でも、……スン、はぁ、くっさいわ」


 髪からお腹に掛けて、臭いを嗅がれていく。


「やめてぇ。やだ!」

「暴れないの」


 大きな胸に包まれ、お姉ちゃんからは汗の臭いに混じって、制汗剤の匂いがした。


「明日は体育祭二日目だからね。今日は早く休まないと」

「むぐ、んん」

「はぁぁ……。ほんっと、幸せね。弟と過ごす時間」


 息苦しさに悶えていると、今度は股間に感触があった。


「ええ。……スン、スン。はぁ、臭い。レン様の臭い、愛しいです」

「ひゃめ、へぇ!」

「ん~~~っ♪ 脳みそが、臭いで犯されてます」


 上機嫌な安城さんが、太ももを撫でてきた。


「今日は一緒にお風呂入りましょう」

「明日に備えて、早めに寝ないといけませんし。賛成です」


 玄関先で脱がされたボクは、そのままお風呂場へ直行した。

 移動の最中、二人の姉に抱えられ、体中を堪能された。

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