お姉ちゃんの活躍

 次の種目は学年別で、大縄跳びだった。

 この種目は、クラス全員でやるものではなく、クラスの中から選ばれた人達が縄を飛び越えて、回数を競うものだ。


《いーち。にー。さーん》


 大勢で回数を数え、ボクのクラスメイト達が一斉に跳びはねる。

 もっぱら、男子たちは種目の勝ち負けに熱意を持つ者もいれば、女子の胸に目が留まり、歓喜している人達までいた。


「う、おぉ。ギャルの胸、ブルンブルンじゃねえか」

「ああ。だから、大縄跳びは最高なんだよ」


 跳びはねる度に、胸を見ている男子たちの頭も連動して、上下に振られる。


《にじゅー……》


 いち、と言い終える前に、クラスメイト達は何人かが縄に引っかかってしまい、カウントは終了した。


「どんまーい」

「次、次!」


 こういう時に、クラスメイトを責めない辺りが、さすがだ。

 ボクは騎馬戦が弱すぎて、弱い生徒と編成を組まれたけど。


 続いて、他のクラスが縄跳びを行っていく。

 ボクのクラスは、2位だった。


 それから、一年が終わると、次は二年。


 男子たちは、自分達とは関係ない色のクラスなのに、上級生の縄跳びに釘付けだった。


 その理由は、すぐに分かる。


「あぁ、藤野先輩だ」

「マジでクッソ美人だよな」

「付き合いてぇ!」


 列の中では、前の方に位置したお姉ちゃん。

 今となっては、身内が変な目で見られるというが、どこか居心地悪かった。


《いーち》


 ぶるん、と大きな肉塊が弾ける。


「お、っほぉ……」

「す、っげぇ」


 何分、大きな胸をしているので、お姉ちゃんはブラをしていても、かなり揺れてしまう。

 お姉ちゃんだけではない。

 後ろに並んでいる人達も、発育の良い人ばかりなので、男子たちはとても喜んでいた。


「なん、の種目だっけ」

「おっぱい、バレーかな」

「いや、大縄跳びだろ」


 と、会話をしていると、後ろから怒った女子が蹴りを入れてくる。


「変な目で見んな!」

「最っ低!」


 当然といえば、当然。

 頭を叩かれ、蹴られても、男子たちは縄の中で跳ねまわる天使たちに釘付けだった。

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