お姉ちゃんの特訓

 胸の谷間が見える薄着で、お姉ちゃんがソファに座っていた。

 リビングにきて早々、正座をさせられたボクは特訓を受けることになった。


「まずは、女の胸に慣れることが大事よ」

大きいので、練習相手には打ってつけですよ」


 数秒後、ガチビンタを食らって、うずくまる安城さんがそこにいた。


「さ、まずは、触ってみなさい」


 腕を組んで、大きな胸を持ち上げるお姉ちゃん。


「触れ、って言われても」

「遠慮しなくていいわ。触らせてあげる」


 大きな胸と睨めっこして、次のお姉ちゃんの顔を見た。

 高圧的な態度を崩さないが、頬が赤らんでいる。


「こんなの、おかしいよ」

「おかしいのはレン様ですよ」

「そうかなぁ」

「狂ってるわ」

「そこまで、……言わなくても」


 特訓が終わらないと、夕飯は抜きという横暴っぷり。

 仕方なく、ボクは意を決して、手を伸ばす。


「あぁ……なんてこと……。レンが、あたしのに……」


 顔を見ないように、大きな膨らみに触れる。

 同時に、お姉ちゃんが体をくねらせた。


「はぅんっ!」

「お、お姉ちゃん?」

「き、気にしないで。続けていいわ」

「どうすればいいの?」


 すると、安城さんが隣に並ぶ。


「揉んだ事なければ、分かりませんよね。片方お借りします」

「な、どうして、あなたが……」

「ランの真似をしてください」


 ぐにゅ、ぐにゅ。

 胸の付け根を両手で揉み始める。

 ボクはそれを見て、同じ動きをした。


「んくっ、ちょっと、どうして、ああっ! こんな、……上手いのよ、あなた!」

「同じ女ですので。ランのは、ここまで腫れていませんが」


 湿った吐息が顔に掛かり、ボクは思考がショート寸前だった。

 普段の勝気なお姉ちゃんが、口を手で押さえて悶えている。

 ただ、胸を揉まれただけで、こんなに変わってしまうという事を目の当たりにした。


「ほら。こうし、てっ!」


 ぎゅううううっ。

 まるで、牛の乳搾りだった。


「い、ったいわよ!」


 腰が跳ねて、涙目になりながらお姉ちゃんが怒った。


「というか、ブラしてないんですね」


 ぐにっ、ぐにっ。


「ひ、必要……あんっ! な、いでしょ!」

「ほら。レン様。胸の感触はどうですか? 黙ってたら、何も分かりませんよ。きちんと、口で言って下さい」

「おっきいです」

「遠慮なく、もっと具体的に」

「揉むと、指が消えたり、出てきたり。トランポリンみたい」


 とても柔らかかった。

 両側から手で押すと、指がどこまでも入っていく。

 弾力があって、力を抜くと、すぐに肉が元の形に戻る。


 お姉ちゃんには悪いけど、少しだけ楽しかった。


「れ、レン。お姉ちゃんの胸。どう?」

「……うん。ちょっと、楽しい……」

「バカ。人の胸をオモチャにするんじゃないわよ。あんっ!」


 片方では、容赦なく揉みしだく安城さんがいた。


「今は教材ですので。さ、レン様。次に、胸の真ん中あたりを見てください。そうです。ちょっと下の方ですね」


 言われた通りに見る。

 白い生地越しに、ぷっくらと膨らんだ突起物があった。


「付け根の辺りをマッサージしながら、その尖った歪な物体を指で摘まんで下さい」

「歪って、あなたいい加減に――」


 素直に白状すると、ボクは興奮していた。

 性的な興奮だけではない。

 胸を揉めば揉むほど、お姉ちゃんが別人になって、いつもより数倍優しいので、つい思いをぶつけたくなってしまう。


 甘えたい。


 素直な欲求だった。


「こう、かな」


 尖った先っぽを指で撫でる。


「んんっ! ま、って! ダメ!」

「おお、素晴らしいです。焦らしが上手いですね」


 お姉ちゃんは大量の汗を掻いていた。

 熱に浮かされた表情で、股を押さえて、声が出ないよう口まで押さえ、俯く。


 肩は小刻みに跳ねて、熱のこもった視線が垂れた前髪から覗いていた。


「音楽プレイヤーのつまみを弄るつもりで、遊んでみてください。ほら、つまみを捻ると……」

「ああっ! やだ!」

「声が大きくなります」


 ボクと違って、安城さんは邪悪な笑みで乳首を指で潰していた。

 その挙句、強く捻ったり、さっきの恨みを晴らしているみたいだ。


「つまみ、弄る」


 興奮のし過ぎで、カタコトになってしまう。


「呼吸をして、落ち着いて捻ってください。倒れたら意味がないので」

「すぅぅぅ、……はぁぁぁ……」


 気持ちを落ち着けて、お姉ちゃんの胸を揉みながら、先っぽをクリクリと弄った。


「っ! んん! ~~~~~~~ッッ!」


 足をばたつかせ、お姉ちゃんが涙を流す。


「ご、ごめ、調子に乗り過ぎた」

「ハァァ……はぁ……っ。い、いいの。続けて」

「でも、泣いてるから」


 すると、お姉ちゃんに額を指で弾かれた。


「……想像以上に、……良かったのよ。気にしないで」


 心臓が破裂しそうなくらい、ドキドキした。

 汗で張り付いた髪の毛。

 その中には濡れた目と、唾液で光沢を帯びた唇があった。


「これは、レンのためだから」

「ええ。女に免疫をつけてください。さ、今度は乳搾り体験コースです」


 付け根から持ち上げるように、力いっぱい搾り出す安城さん。

 お姉ちゃんは顔を手で隠し、「やぁ……っ!」と、肩を震わせた。


 ボクはその後も、安城さんの真似をして、ひたすらお姉ちゃんの胸をマッサージし続けた。


 ふと、目についたお姉ちゃんのパンツは、お漏らしをしたように濡れていた。

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