095 御当地老人と海

    ◆2023年9月19日


国道沿いのサンドビーチは、日焼けした海水浴客でずいぶんなにぎわいでした。

でも、老人は一人もいなさそう。


軽トラで用足しに下山した私は、帰路も横目で確かめながら通り過ぎたことでした。


死人花とも呼ばれる彼岸花が今年ももう咲きだしたのに、今を盛りと生きてる彼らは半裸で潮風の残暑を謳歌していたんでした──。





帰宅して旧友に電話し、今日は土曜のせいか海水浴場がまだ混んでたと話すと、

「敬老の日で3連休だからねえ」とのこと。

それで初めてボケ婆さん、2003年から敬老の日は9月の第3月曜、9月15日が老人の日になったと知ったんでした。さっきまで世間を腰曲げて杖ついてヨタヨタ歩いてたくせにね。……こんなザマだもの、ずうっと敬老もされず来たわけだわ…。



というので昨日の敬老の日は、自分でも敬いようがないぐうたら暮らしはなんだかなあ~と、暑さをいいわけにサボりきってた外仕事を久々に渋々と。

なのでたまの老僧に疲れて早速今日、またもサボっちまいましたです。





ヘミングウェイの小説「老人と海」は、84日も不漁続きでようやくまみえたカジキマグロとの死闘に勝利したものの、サメに骨だけにされながら帰還した港で人々に嘲笑され、心身共に疲弊しきってたどり着いた小屋で深い眠りに落ち、

「老人はライオンの夢を見ていた」で終わります。



この小説の寓意はわかりようがないけれど、それでもライオンの夢というからには、厳しい現実からも削がれることのないなにがしかの活力が、老いぼれにまだ宿ってるのだとは推し量れる。


その活力をこんなにぐうたらヘタレ三昧なくせ不遜な私も、こうして身内に感じてる。ほんと、残りわずかとはいえ…まだね────。


その驕慢ぶりで今日はぬけぬけと、これまでは後ろめたかった自堕落ぶりをむしろ余裕ととらえちゃっていますです。

これが単なるボケの証左だとしても、んまあいいいかと。

クルクルパーだろうが悪ノリだろうがなんだろうが、私だって過ぎゆく季節をレジャーとして消費したっていいじゃっねてね。



先月末、変わりたいと念じるだけでなく吐露した成果なのかどうか、相変わらずの三日坊主なのかは知らんけど、とにかく私、老醜の開き直りどころか発狂だろうが時代遅れも何するものぞと、意気るほどとなりました。


でね、昭和レトロ↓を今夜は楽しんでる。

https://www.youtube.com/watch?v=qVvfgxRnPqE

https://www.youtube.com/watch?v=7OnDqoALCM4

https://www.youtube.com/watch?v=Fvv14EwZeoQ




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