094 狼のオシッコに勝るか

    ◆2023年9月15日

【強臭力】《きょうしゅうりき》という、とんでもなく臭い害獣忌避剤が北海道の水産加工会社で開発されたそうです。しかも思ってもみなかった素材から。

それはなんと、あの海星ヒトデ100%の液剤という。

その臭さったら臭気計測器の針を振り切るほどで、蝦夷鹿エゾシカには効果テキメンだったとか(20倍に薄めても、人間なら鼻がもげるほどという)。


しかしウルフピーと呼ばれる狼尿の市販液だって効果はさほどでもないそうだし、広範利用の実証を待ってからでないと、囲うさえ難渋してる貧乏婆さんすぐには飛びつけない。

だってね、お値段1㍑、10㍑、20㍑入りで4400~7万7000円!



海月山はさすがに熊は見ないものの、それ以外はなんでも出没なさる。おかげで今も野菜畑は放置中。生半可な防獣柵では対抗できず投げ出したきり。

日照にも広さにも難ありなボロロプレハブ前を囲い、わずかな野菜を育ててるのみ。

しかも草木だって食われ枯らされるものが大半で、いつまで経っても花ざかり山は望めないでいる。獣害に泣かされている。




そんなでおいそれと忌避効果を試しはできず、する気もないものの、それでも今日知ったこの海星液剤に救われる思いではいます。

というか、想像するだにワクワクするというか──。

海月を名乗ってるくらいだから私、海星の臭さってどんなろうって想像するだけで。



あ~あ。もっと若かったらね。

さっさと山から下りて、浜へ行って、海星の一つや二つ手づかみして──。

子供のころ目にはしても触ったことなかったのに、つい考えだしてた……。


それで磯は無理なのでネットで海星探ししてみたら、乾燥してても臭いんですと。

でね、それを粉末にした土壌改良剤「撃退パンチ」という製品もありました。


なんでも海星は自己防衛にテルペン物質(ヒトデサポニン)を発散して外敵を寄せ付けないので、その成分が鳥獣や害虫にも効いて、干し海月をばら撒いたり吊るしたりでも多少の効果は期待できるみたい。…夢がある光景ね。

海星手裏剣で憎い猪やら鹿を撃退させる活劇シーンまで、思い浮かべたですよ。



他に脱臭・脱色の仕方や骨格標本の作り方なんかもザッと調べられたし、今日は山頂にいながらにして、しばし夏の海を妄想とはいえ楽しめたんでした。





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