061 猛毒娘ピンキーピンキー!?

◆2023年7月13日

オーストラリアの熱帯雨林に自生するギンピーギンピーは、全体を覆う細かな刺毛の神経毒に激痛を伴う殺傷力があり、死に至らぬ場合も自殺者が出るほど耐え難い苦しみが数年がかりになるほどの猛毒植物なんだとか。つい先日知りました。

そして海月山にも生えてるイラクサ科というので分布確認、日本は圏外と一安心もしました。なにせ一瞬でも触れたら焼けるような感覚が全身に広がる即効性、驚異的な繁殖力だそう。


ところが真っ赤な房状の果実は愛らしく甘く、刺毛さえ取り除けばおいしく食べられるとのことで。

…ウーム。それって、一目惚れで近寄って来た男が触れたら最後、憑り殺さずにはおれない稀代の可愛い娘ちゃん、運命の女、ついには男の人生を狂わせ滅ぼすファム・ファタールじゃないの、まるで。

んでその可愛い娘ちゃんの通り名ってば、まさかの命取りなギンピーギンピーならぬピンキーピンキーなのよ。ポップでエロ可愛いくて、男共が気安く呼びかけずにいられなくなる響きのね。




──このところすっかりダジャレやら言葉遊びに呆けてる婆さん、調子こいていつもの妄想炸裂しだしたことでした(イラクサの花言葉って、中傷や悪口、残酷もあるそうです。だからこの妄想も故なくはない?)。


しかしまた世の中は良くしたものでというか、致命的な神経毒刺毛なんぞでもない奴らがおるんだと。アカシアワラビーなどの数種の小型有袋類、虫、鳥などは、平気で食草にしちまうてんですからねえ。



…ウヘーでございます。これじゃ、近寄る男共を次々悩殺しようって猛毒娘ピンキーピンキーちゃんも、すっかり形無し! むしろピンチな娘っこじゃござんせんか。


そしてなんと2006年には、刺毛に触れても無痛な娘たちが現れたと来たもんだ。


とすると、恋の痛みは与えずと吾が身にこそ抱える、純な乙女らが育ちだしたってことよね?


どうやら時代はさらなる多様性へと、とっくに邁進してたようですね。




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