037 紫陽花の毒をとりこむ

◆2023年6月4日

今日。ようやく豪雨がやみました。

……やれやれ。海月山の草木も生き物も、一息ついてることでしょう。ボロロプレハブも雨漏りは大したことなくすみました。



北窓超しの紫陽花が、一気に花房をふくらませだしてます。といっても檜の大木の下だから、小ぶりで花色もまだ白っぽいだけ。それでも充分、目を引きます。日ごとに色づきだすのが楽しみな季節到来。



でも、日々うつろいゆく花色を愛でたいのは、山じゃ私だけかな。鹿なんか、おいしそうになったと狙ってるだけだろうし。

あいつら、有毒な紫陽花さえ株を枯らすまで丸裸にしちまうんです。人間様なら集団食中毒事件となった事すらあるというのに(葉が料理の飾りに添えられてた)。


なぜ鹿には無害かというと、時間をかけて徐々に取りこむから、躰に毒がなじむのだそう。


──その態度って、何事にも通じるかしれない。


…じゃ、不治に思える私のグウタラ病も、少しずつなじめる毒こそがついには特効薬となったりして?



としたら、その毒って、私には何なんだろう?



…もしかして、あのあれか?














色づきこれから

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