035 今夜の月は十三夜

    ◆2023年5月30日

夜更けて、もう十時半になりました。

さっきやんだばかりの雨がまた降りだしてます。

およそ一月ぶりに日記更新できた安堵で、今夜はもうひとつ書き足します。

ボロロプレハブのトタン屋根へ落ちる、檜の雨雫の音を聴きながらね。

 

合間にカエルの声も混じるので、かえって山の静けさが感じられる。

やさしい愛らしい鳴き声──。とても蛙とは思えない。

蛤のようなすべっこい貝の背を、誰かがすり合わせてる擬音みたい。


 

こんなだからもちろん、月が見えるはずもありません。

それでも十三夜ということで、なんとなし月夜の気分。半月よりむっちり太りだした月光を、真っ暗に濡れた窓外に想います。




今朝。湿らせたペーパータオルで根出ししたキュウリの種を、10粒ばかりポットに埋めました。満月が近くなったから…ウフフ、発芽も早まるな。

といって梅雨突入では収穫できるほどの初期生育できるやらですが、放置畑再開の励みにはなってはくれるでしょう。



すっかり覇気が欠け怠惰になった婆さん、なけなしの生命力を種たちのエネルギ―でゆさぶり起こしてもらおう魂胆です。それだけ、植物というものの命の力を私は畏敬しています。昔やってたブログにはМООNSĒĒD=月の種というタイトルをつけてました。


月も、巨視的には、時空にぽつんと埋まる小さな小さな種粒だもの。


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る