020 ゴボウ根で死刑となった8人

  ◆2023年2月10日

昨日。土運び中に除けた野アザミの根を持ち帰りました。

前々から食べてみたいと思ってたんです。

だって、大好きなゴボウと同じキク目。花もそっくり。きっとおいしいに違いない。


それでニンジンとゴボウの金平に足したのですが──、まずかった。


筋ばってたのは想定内として、なんというか…苦っぽい木の味とでもいうか、とにかくまずかった。

平安時代も食してたそうだけど、やっぱりね、薬用で渡来し宮廷料理となったゴボウには、これじゃあ負けるはず。

ゴボウのおいしさ、香りの良さこそ、再認識したことでした。

それで、ゴボウで死刑になった、いわゆる直江津捕虜収容事件を思い出したんです。



太平洋戦争中、日本は連合国の捕虜を収容。しかし第二次世界大戦で負けましたよね。その際、オーストラリア人捕虜に木の根を食わせたとして警備員8名が虐待の罪で死刑判決を受け、絞首刑になったそう(ただし、死刑は2人のみ、終身刑3人、15年以上の有期刑2人との説もあり、裁判全体の詳細も不明)。

野アザミなら、それこそ木の根っこ味。しかしゴボウはとてもおいしい。よね?

それを食習慣の違いだけで裁かれたとしたらと、思い出したのでした。




現在も、朝鮮と日本以外の国でゴボウ食は文化として定着してないそうです。


が、令和日本だって…どうかな。

若い世代はすっかり洋食党が蔓延なイメージ。オデンの時以外は口にしなさそう。


一方、食の嗜好まで昭和初期どっぷり婆婆さんは、ゴボウを春から育てたいとさえ思っている。畑で種がついたなら、次は野アザミのように山中増やしたいとまで。そしたらイノシシに掘られても、少しは利用できるかしれないから。

 

海月山は地元から孤立し足悪には徒歩の下山が至難とて、非常時を考慮、食材はできたら野生化させておきたいんですね。

そんなくらいだから、戦時の捕虜すらノーサンキューだったゴボウを、大喰らい婆さんは今日も鶏肉とごっそり煮こんでたいらげたことでした。


絞首刑にされたという8人になら、さぞ喜んでもらえただろう食欲ではありました。

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