004 小鳥が朝からやって来て

◆2023年1月9日

河津桜の枝がはずんでいます。

飛んで来た小鳥が、止まっては飛び立つから。

今朝も鶯が二羽、早咲いた花をついばんでる。


炬燵でつましい朝食をとりながら私は、そのようすを眺めてる。


ボロロプレハブは大して外気温と変わらなくて、小さな使い捨てカイロはセーターの襟首に貼ったばかりだし、まだ手指はあったまってない。それで湯気の立つ雑炊丼を撫でさすりながら見てる。



窓の外ではときおりの風に、居並ぶ他の木々もゆらめきます。

それらをすり抜け、二羽は今日もやって来たのでした。


けれど花枝を数回飛び移るだけ。

トンビにでも狙われる危険を避けてなのかしらね。



私は丸一月食べないほうがむしろ健康にいいくらいな、躰。

なのに、空になった丼を、まだ物足らなくて手から離せずにいます。






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