003 冬薔薇は人肌色

    ◆2023年1月6日


花首が折れかかってうつむき咲いていた一輪を、今日は私の誕生日だからとボロロプレハブへ摘んできました。


昨日より珊瑚色が薄まりゆるくほつれた花びらは、人肌を想わせます。

品種名がG.D.ルイーズという、二十世紀初頭におられたドイツ大公妃ルイーズにちなむからかしれません。


なのに私は無作法でした。高貴な御身分名の薔薇にふさわしい花器はないからと、ペットボトルへ挿しただけでなく、何度も鼻をくっつけるほど嗅いでみたり──。


寒くて今日は鼻水をすすってばかりだったのに、断首なみの無礼をくりかえすほど、大人なティー系香をたびたび吸いこんだ。



鉢植えに一枝だけ残るつぼみも、咲きだしたら手折ってこようかな。

同じ木からとは思えない赤さで今夜の雨に濡れてるはずの、固さを思いもしてる。




…はい? 誕生日でお幾つに?


いくら婆さんだからって、女性に年をたずねては失礼よ。ホント、今時の若い人は礼儀も何も知らなくて……。


アラ、いけない。薔薇話で、本音までバラしちまったわ。




◆   ◆   ◆   ◆   ◆

この人肌色薔薇、冬なこともあってすごく長持ちしたので、

↓近況ノート画像ぜひ見てほしいな

https://kakuyomu.jp/users/medusaion/news/16817330651919780908

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