エピソード3

「うわわわわわわわわわ~!」あなたは叫びながら落ちていく。

―拝啓 僕は死ぬでしょう。先立つ不孝をお許しください。

目を閉じて瞑想しながら落ちていく。

すると、不意にダストシュートがなくなったと思うと、地面に落ちていった。

グシャという音とともに何かがクッションになったようであった。

目を開くとそこには頭が粉々になり、緑の体液と脳みそが飛び出たゾンビがクッションになっていたのであった。

「ぎゃああああああああああああああああああ!」

頭が潰れたせいでゾンビもピクリとも動かなくなっていた。

ふう~と深呼吸をして、再びゾンビを見る。めちゃくちゃグロテスクであった。

すると、顔の前のパネルにオペ子の映像が映った。

「おやおや、もうゾンビ一体撃破とは…優秀なの。」

「へ、へへ、ヘヘン。そ、そりゃ、ぼ、ぼ、僕にかかればこんなもん…。」

「おや、次のゾンビなの。」

「ぎゃああああああああああああああああああああああああ…あれ…いない?」

「うそなの。」

「うそなんか~い!」

「でも、近くにあと2体はいるの。あとあまりうるさいとゾンビが寄ってくるの。」

あなたはピタっと動くのをやめて静かにオペ子の話を聞いた。

「モニターにゾンビレーダーを付けるの。大体20mくらいが限界なの。円の中に赤い点があるでしょ?それがゾンビなの。見た感じ20mギリに2体いるでしょ。」

「げげげ、めちゃくちゃ近いじゃないか。」

「じゃあ、ハンティングよろなの。」

そう言い終わると、オペ子の映像は消えて、レーダーだけが映るようになった。

あなたはレーダーを頼りに赤い点に恐る恐る近づいて行った。

―お、確かにいた。

レーダーの赤い点らしき場所に2体のゾンビがいた。

―よし、拳銃とかいう武器であいつらをぶっつぶす!

拳銃の照準をゾンビの頭に向けて、引き金を引いた。

バーン。

弾はゾンビの頭上を通り過ぎた。

そして、あなたは拳銃の反動で銃を離してしまった。

ゾンビはこっちに気づき、こちらに寄ってくる。

あなたは急いで拳銃を拾うが、ゾンビはもう目の前にいた。

「ぎゃあああああああああああああああああああああああ」

バーン、バーン、バーン、バーン、バーン、カチン。

弾を全部打ち尽くしてしまった。

―終わった。

顔を挙げると、頭部が二体とも吹き飛んでおり、ゾンビは倒れていった。

「なさけないの。弾は少ないって言ったの。まあ、いいの。木をさがすの。」

オペ子が急に音声で割り込んできた。

「わかったが、木なんてどこにあるんだ。」

「目の前のこれなの。」

モニターが拡大してフォーカスしていく。

「これか?」

あなたは木の枝を拾った。

「そうなの。たくさん拾ってもどるの。」

「へいへい。了解です。」

あなたは木の枝をたくさん拾っていると不意にレーダーに赤い点が現れた。

ゾンビが新たに一体現れたのである。

ゾンビはこっちに気づいているように近づいてくる。

「へ、こっちはもう3体倒しているんだ。お前も倒す。」

あなたは銃を取り出すが、カチン。弾が切れたままであった。

ゾンビはそのままあなたに襲い掛かる。

―死んだ。

グサッ。

拾っていた木の枝がゾンビの頭に突き刺さっていた。

ゾンビは死んではいないが、頭に刺さった木を抜けずに藻掻いて倒れこむ。

―た、助かった…。

「遊んでいる余裕はないの。早く家にもどるの。」

「は、はい~。」

あなたは急いで家に戻った。


部屋に入ると、オペ子アームが出てくると、防御服を外していった。

「ご苦労なの。」

「オペ子、あれはやばいぞ。」

「当たり前なの。だから人類は滅亡したの…。」

「とりあえず、木持って帰ったぞ。」

「それを加工部屋に入れるの。加工部屋はそこのオレンジの部屋なの。」

あなたは木を加工部屋の中に入れた。すると、ガオンゴオンという音がしたあと、矢が出てきたのである。

「やった。これでゾンビと戦える。」

「ダメなの。戦うだけじゃ意味がないの。これからあなたにはこの家以外の家をたくさん作ってもらうの。」

「え?僕しかいないんですよね?なんで作る必要あるんですか?」

「それは…なんと人類を復活することができるからなの。と言ったらわかる?」

「え??それってどうやって…。」

するとオペ子アームが出てきて、あなたの四肢を掴んで動けなくしてくる。

そして、アームは鼻の穴に入って、鼻毛をブチっと抜いた。

「@あおあいからあだ…いた!!!!!なにしてくれてんだ!」

「これから人類を復活することができるの。」

「え、鼻毛から?」

「実はあなたが寝ている間に先に抜いたものがあるの。これね。これをこうしてこうすると、ほら人間になるの。」

モニターで鼻毛から人間が作られる過程が写されたが、まったくよくわからなかった。

「ただ、問題があるの。形は人なんだけど、魂みたいなものがないの。だから命令には従うけど、考えて動くことができないの。」

「つまり、とりあえず人を作って命令して家を作っていってちょっとずつ人の住めるところを増やそうってこと。」

「…ときどき鋭いの。じゃあ、わかったようなので、ゾンビを狩って、人を増やして、街づくりなの!」

「やってやるぜ~!」


かくしてあなたの街づくりは始まった。


次に続く?

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