エピソード2
前回までのあらすじ
僕はなんやかんやあって唯一残った人類であった。そしてなんやかんやあって生き残ることになった。さあ頑張ろう!
一日が経った。
食べるもの、飲むものには困らないことがフラフラする内に理解することができた。
あの柱のAIは変な人格はあるものの、質問にはしっかり答えてくれる。
施設の中も誰もいないっていう部分を除けば、寒くも暑くもなく快適な状態だ。
あとはこの世界をどう生きるかだ…。
柱のAIに話しかけようと近づくと自動的に電源が入るようになった。
昨日まではボタンを押さないと動かなかったのに何故か自動化されている。
「オペ子、ちょっと思ったんだが、生き残るだけならここにずっと居ればよくない?」
「Helloあなた……ピーピーガーガー、ここにサバイバル不適合者がいます。今すぐこの施設を爆破いたしますがよろしいですか?」
「お、おい。ちょっと待ってくれ。頑張るから!」
「Yes、そうですよね。ま~さ~か~、ニート生活なんて考えていないですよね?」
「わかったよ。でどうすればいいんだ?」
「そうですね。まずはこの家の使い方をマスターしていくところから始めるのがよいです。」
「家?これは家なのか?」
「私にとっては家みたいなものです。食料については一日で理解できたでしょう。次のステップはこの家ができることについて知りましょう。ステップ1、武器庫の使い方で~す。」
「武器庫?ゾンビを倒すのか?」
「そうで~す。モニターを見るのです。」
モニターにゾンビの模式図が映し出された。
「ゾンビは基本的に生き物しか襲わないです。つまりあなたが外に出たら即攻撃を受けるです。つまりやられる前にやれ的なノリが必要なのです。」
「でどうやって倒すんだ?」
「モニターを見るです。ゾンビの上半身の色が変わっているところが弱点です。頭は一撃です。上半身は2~3発程度ですかね。下半身はほぼノーダメージで~す。」
「つまり、頭の方狙って攻撃すればいいってことだな。」
「そうですね。ただし問題があるです。ここの家にあるのは弓と拳銃しかないです。あなたは使ったことがあるですか?」
「弓?拳銃?なんだそれ?」
「あ~記憶ないでしたね。オペ子理解です。論より醤油って言いますもんね。では武器庫にご案内で~す。武器庫は私の後ろにある赤色の扉です。」
仕方ない。折角だから僕はこの赤い扉に入る。
中に入ると、弓と矢、拳銃とその弾丸が置いてあった。
とりあえず、両方ともを抱えて柱のAIまで戻った。
「弓、拳銃ってこれのことか?」
「お~正解です。弓と矢の使い方をモニターに映すですから、見るのです。」
モニターに弓と矢が表示され、弓に矢を番えて放つ様子が流れた。
「わかったですか?」
「わかった。やってみる。」
「え?ちょ…」ドカン、バキッ。
弓を番えて放った矢が壁に放たれ、壁に当たった後跳ね返って、最初に入っていたカプセルに突き刺さった。
「お~、すげ~。見たかオペ子…オペ子さん?」
柱から無数のアームが出てきてアームにはハンマーやナイフが握られており、今にも襲い掛かられそうであった。
「あなたがおバカなのは理解です。オペ子理解。でも次は勝手にやらないこと。家で弓も拳銃も打たないこと。警告。Do you understand?」
振り下ろされたハンマーは頭上ギリギリに、ナイフは髪を掠めていた。
「あ、あ、あ、わかりました。」
「わかればいいのです。次に拳銃の使い方なのです。モニター見るのです。」
モニターには拳銃に弾丸を入れる方法や打ち方、狙いの付け方が表示された。
「ちなみにですが、弓よりも拳銃の方が威力が高いので、ゾンビを倒しやすいです。でも弾丸はこの家にある量が決まっているのです。なくなったら終わりです。弓は矢がないと打てないですが、矢は使いまわしができるのです。あとは木があれば作れるのです。理解しましたか?」
「わかった。銃を使えばいいんだな?」
「聞いていたのですか?弾丸がないと使えないですし、弾丸は20くらいしかないですよ。」
「オペ子が言ったじゃないか?木とかいうのがあれば、矢が作れるんだろ?ていうことは木っていうのがあるところに行くまで銃を使ってそれからは弓を使えばいいじゃないのか?」
「……そうですね。」
「じゃあ、簡単だ。木を手に入れるぞ!で、木ってなんだ?」
「……鋭いのか、おバカなのかわからないです。モニター見るのです。」
モニターに木が表示された。
「矢が作りやすいのはこのように細い枝です。どこにでもあるですから好きな形を持ってくるといいと思うです。加工はここでできるのです。」
「よ~し、木を取りに行くぞ!」
「待つのです。最後まで話は聞くです。ゾンビに一撃でも攻撃を受けたら終わりです。外用の防御服を着ていくです。これなら攻撃を受けても大丈夫です。」
すると、柱の下の受け取り口から白く全身を覆うような服が出てきた。
着てみると、顔の前は透明な板があり、肌が出ている部分はなくなった。
「これでようやく外に出られるですね。さて、外に出る前ですが、家の周りには3体ゾンビがいるです。まずはこの3体を片付けるです。倒し方は覚えているですね。」
「ああ、頭を狙うだろ?」
「そうです。」
「じゃあ、家を出る前最後に覚えておくことです。家に戻るときは家の外にある赤いボタンを押すです。」
「よしわかった!ん?戻るとき?出るときは?」
「そんなの決まっているです。私が自動的に出すです!では頑張ってね!」
そういうとアームが出てきて、僕の体を掴むと壁が開き、ゴミはこちらと書かれた箱が出てきた。
―あ、あれは食糧庫にあった。
そう思う間もなく、アームから投げ飛ばされて箱の中に落ちていった。
かくして、あなたは外に出ることになった。
あなたは次も生き残れるのだろうか?
次回に続く。
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