――勇者とともに旅をしていた者たちは剣聖、聖女、黒魔女と呼ばれていた。

人にとって死は悪だから悪である　謁見のたび兵は増やされ

「玉座などただの座席」と言うこともできないだろう？王族以外

王命に従い剣を帯びるとき剣聖の檻とは民であり

鳩が手紙をとどけるように王城へ到着をやめない鳥の群れ

自らの呼気に気づかず裏声の兵士は叫びながら叫んだ

城壁の破片が街に飛んでいく高さを競う遊戯のように

くりかえす治療ヒールに聖女の両腕の血管のほそく青ざめていく

魔物だって生きているなら愛を知り空腹を知る商店通り

性格をもたないくせに性格をひどく失っていく夕ぐれ

地表までの大気を撫でるようにして宙（そら）から降りてくる赤竜は

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