不死者の群れ

――今となっては不死者の人口が生者よりも多いといわれる。


晴れ、ときどき叫びのなかで逃げ隠れしても一向に金にならない



不死者のたちのご機嫌なこと天上がまだ賑やかだったころのうたごえ



夜の街、その街じゅうを踏み潰す元村人も元公爵も



ときに若さはうらやましいね君の立つそこが文明だとわかるかい?



「家族や友人をさがしているの」というひとが人格をそこなう、始末しながら



一人でいきて一人で死ねばよみがえってしまう半透明なかなしみ



座りこみ傷を擦っている友よ怖いなら話すぎたほうがいい



立ち上がるのは呪いだろうか 燃やすには魔素も生者の息も足りない



死してなお頭一つで持ち歩くうさぎの重さほどの沈黙



濁りきった瞳のものは助からない魔素とは神の体液なのに

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