第2章 俺と妹の触れあい
妹にマッサージしてもらう俺
優希ちゃんに罰のことを話した後、まっすぐ帰宅した俺と美咲。
当然部屋に入るタイミングは同じだ。
「疲れたぜ~」
俺は制服を着たまま、布団に倒れこむ。
「お兄ちゃん、すごく疲れてそうだね…」
俺がいる布団をまたいで奥に向かう美咲。
「ああ。実はな…」
顔を上げて彼女を観たら、制服を脱ぎ出していた。
「おいおい、俺が部屋に戻って着替えるまで我慢しろって」
「私は全然気にしないよ?」
こいつ、羞恥心がないのか?
着替え中の美咲を観ながら話す俺も俺だがな…。
「優希ちゃんに説得するのも疲れたが、体育のチーム分けのバランスが悪くてさ。俺がほぼ1人で頑張ってたわけよ」
今日の体育はバスケだった。いつもは上手な人にパスする役割だが、そういう人がいなければ、チームの中ではマシな運動神経の俺が頑張るしかないよな…。
「そうなんだ…。だからそんなに疲れてるんだね」
「そういう事。慣れないことは大変だぜ」
「お兄ちゃん。良ければ、私が太ももとかふくらはぎを揉もうか?」
上下共に着替え終わった美咲が提案する。
効果はよくわからないが、マッサージされて血行が良くなる可能性はある。
少なくとも、損はしないはずだ。
「そうだな。お願いしようか」
「わかったよ。じゃあ…、ズボン脱いで」
「はぁ!? 何でそうなる?」
脱がなくても揉めるだろ。
「マッサージって、直接揉むものでしょ?」
そういうものなのか…? とはいえ美咲は善意で言ってるんだ。
深い意味はないはず。
「わかった…」
どうせズボンを脱ぐんだ。ついでに上も脱ぐか。
上は白Tシャツ1枚、下はトランクスのみという姿で美咲のマッサージを受けることになる。
「まずは…、うつ伏せになって脚を上げて」
そう言いながら、俺の布団上に座る美咲。
どうやら最初は、ふくらはぎを揉むようだ。…早速揉み始めたぞ。
男とは違う、滑らかな手だ。触られるだけで気持ち良い。
「お兄ちゃん、どう?」
「良い感じだ。続けてくれ」
「うん」
マッサージ…、良いじゃないか。これからもお願いしようかな?
…あまりの気持ち良さに、ちょっと意識を失っていた。
夕飯がもうすぐだから、昼寝する訳にはいかんな…。
「お兄ちゃん、今度は太ももを揉みたいから仰向けになってから脚上げて」
「はいよ」
指示通り仰向けになってから、揉みやすくするため脚を上げる。
「…お兄ちゃん。気持ち良さそうな顔してる」
仰向けだから、顔が見えるもんな。
「良さそうじゃなくて、実際気持ち良いぞ。ずいぶん手慣れてるな」
迷いがないっていうか、パターン化してる感じがする。
「自分の脚をよくマッサージするからね。誰かにやるのは初めてだけど」
「へぇ~。そうなのか…」
俺が美咲のマッサージを受けた初めての人か。なんか良いな。
美咲のマッサージは気持ち良い。それは事実だ。だが彼女の手が俺の太ももの付け根に近付いてくるのは落ち着かない。
下手したら、美咲の手が股間に触れてしまうかも?
…あの時の朝、起こされる際に股間を触られたことを思い出す。
気になってはいるが、訊くタイミングがわからず放置している状態だ。
まぁ、その件は置いといて…。
「美咲。付け根あたりを揉む時は気を付けてくれ」
念のため警告しておく。
「私は全然気にしないよ♪」
…気のせいか? さっきより彼女のテンションが上がってるような?
「俺が気にするの!」
「心配しないで。ちゃんと気を付けるから」
ここまで言うんだ。あとは美咲を信じよう。
「…は…はっ」
美咲がくしゃみをしそうな顔をしている。
「くしゃみが終わるまで待つぞ」
どうせ急いでいないしな。
「もう少しで終わるから…」
変なところで意地になりやがって。
「…は、くしゅん!」
くしゃみをする直前、Tシャツの袖口あたりに口を当てる美咲。
飛沫を抑えるには有効な手段だ。それは良い。問題は…。
くしゃみを抑えることに意識が集中した美咲は、手の位置が疎かになってしまい、俺の股間に触れる状況になってしまう。
「だからさっき言ったじゃねーか!」
「ごめんね…」
「今度からは気を付けろよ」
悪気がないのはわかってるから、これ以上は責められない。
「うん…」
その後、マッサージが再開される…。
「……終わったよ」
美咲の一言により、上げていた脚を下ろす俺。
「脚の感じどう…?」
「少しだけ、楽になった気がするぞ」
マッサージって効果あるんだな…。
「良かった♪」
微笑む美咲。
部屋の掛け時計を確認したところ、そろそろ夕飯の時間だ。
「そろそろ夕飯だな。俺は着替えるから、お前は先に行っててくれ」
「そうするね」
俺は脱いだ制服の上下を持って、美咲の部屋を出た…。
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