初めて妹のアレを目撃する

 放課後。俺は遅くまで寄り道するつもりだったが、コンビニだけにして帰宅する。


母さんが俺に罰を与えたきっかけは、生活習慣が悪いからだ。

寄り道して帰宅が遅くなったら、今の罰が延びる可能性があるよな。


それは避けないと。…これなら、美咲と一緒に帰れば良かったかも。



 帰宅し今は俺の部屋になる、美咲の部屋の扉を開ける。

…彼女は制服を脱いでおり、上下共に下着姿だった。


「…ごめん」

何度も入ってるから、ノックのことを忘れていた。


慌てて出ようとするが…。


「気にしないで入ってよ」

美咲は隠そうとせず、俺にそう言ってきた。


「…ああ」

俺は彼女に目を合わせないように入る。


「お兄ちゃん。何で顔を赤くしてるの?」


「何でって…」

年頃の女子の下着姿だぞ。興奮するだろ!


「私達、兄妹なんだよ? 私の体なんて、小さい時に何度も観たことあるでしょ?

それに、こんな大したことない体を観て恥ずかしがるなんて…」


兄妹だろうが、異性の体には興奮するものだ。美咲は男心がわかっていない。

勉強ができて真面目なのに、こういう事は無頓着なのか…。


大したことない体…は、よくわからん。美咲がそう言う以上、胸の大きさは平均未満なんだろう。それ以外は太くも無く、細くもなくって感じに見える。


「俺も着替えてくるわ」

カバンを置いて、逃げるように自分の部屋に行く。


いくら美咲の部屋で過ごすとはいえ、着替えまでは持ち込めない。

なので着替えと、私物を美咲の部屋に持ち込む・しまう時だけ、自分の部屋に入る。



 着替えを済ませ、再び美咲の部屋に入る俺。彼女の着替えも済んでいた。


…さっきの下着姿が頭から離れない。意識しすぎちゃダメだ。


「お兄ちゃん。そわそわしてるけど、どうかしたの?」

布団の上に座っている俺の顔を覗き込んできた美咲。


「…何でもない」

目を合わせると、思い出しそうになる。


「ふ~ん…」

意味ありげというか、俺が言ったことを信じてない感じだ。


その会話以降、俺はタブレットで好きなことをやり、美咲は漫画を読み始める。



 それからしばらくして夕飯の時間になり、済ませた後再び戻る俺と美咲。


そういえば、今日宿題を少し出されたな。美咲の机を借りるか…。

なんて考えていたら、彼女の携帯が鳴る。


「この音…、電話だ。お兄ちゃん悪いけど…」


「わかってる」


電話だから静かにしろ、という意味だろう。

俺の返事を聴いた後、電話をし始める美咲。


この電話が俺と美咲の関係を変えるとは、当時は思いもしなかったのだ。

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