国王陛下の謁見とライナの正体は突然に

さて、魔物達によるジャパン王国襲撃から1日が経った。

俺達は王国を救った功労者として国王陛下からお呼びの声があった…が、ライナが行きたく無いと言い出す、

「どうしても行けません!!!」

この調子で数十分は行くのを拒み続けているのだ…。

「さてはライナは実はジャパン王国のお姫様でこっそり家出したのがバレて怒られるから、…、か…?」

適当な理由を語るとライナの身体がギクッ!という効果音が聞こえそうな程に跳ねた、

いいトコのお嬢様とは思ったが、

図星か…。

「なら尚更だ…、1年間も俺の世界で過ごしてたんだ…親御さん…国王陛下も心配してるぞ…?いっその事怒られて来いよ?ライナも家出した事…後悔してるだろ…?」

そう言うとライナは…、

「後悔…?お父様が心配…?心配してなんかいないですよ…」

ライナは皮肉気に笑いながら語る、

「私だってお父様の力になれるのに、お父様は戦場に私を送り出す事無く『ライナはただ黙って城にいればいいのだ!!』と言い放ち、私を軟禁したんです…」

うーむ…、

確かに一人の姫様を軟禁はやり過ぎとは思うがなぁ…。

でも国王陛下の行動も理解はできる…、 いくら戦えるとは言え、1人の大事な娘を戦場へと送り出すのも心配だしな…。

俺は考える、このままライナを王国に帰していいのか…と。

とその時、俺はある事を思いついた。

そして、ライナに改めて城に一緒に行く事を言い出した。

ライナは嫌そうな顔をするが、

俺は作戦決行の為に敢えてライナを連れて城へと赴く…。

そして、迎えに来た王国の兵士に付いてく。

そうして、歩く事数分…、城門の前へと着いた。

流石、この異世界で唯一の大王国…、

城の外観も中々に立派だ…。

そして城内へと入る。

エントランスから豪華な造りだ…。

感動する俺をよそにライナは落ち着きが無い、無理もないが、俺はライナの頭を撫で、

「大丈夫だ」

と同時に、そっとライナの耳に囁く。

そうしてエントランスを抜け玉座の間へとたどり着く、そこには多数の兵士達が武器を携えている。

そして玉座に座る国王陛下が立ち上がり、

「そなたが勇者達と共に王国の危機に立ち向かったと言う冒険者だな…?」

そう言って俺は

「はい」

と返事を返す

国王陛下は続けて

「王国の民達を助けてくれて感謝する…」

国王陛下は感謝の言葉を俺に向けて、堂々たる振る舞いだ。

そして続けて俺の隣に立つライナに振り向き…、

「ライナ…久しいな…?今日まで何してかと思えば旅に出てたとはな…?」

「はい…お父様…御心配をお掛けしました…」


ライナは顔俯けながら国王陛下に謝罪する…。

すると国王陛下は

「だが今更戻った所でお前の居場所はもう無い…」

と、国王陛下は信じられない言葉をライナにぶつけた。

思わず俺は反論する。

「国王陛下!!あまりにもそれは言い過ぎだぞ…!!!?」

俺は敬語も忘れて国王陛下に声を荒げて抗議していた、が国王陛下は続けてライナに吐き捨てるように実の娘には言ってはならない1言をぶつけた…、

「我が娘は死んだのだ一年前にな!!」

それを聞いたライナはその場に泣き崩れ…、それを見た俺は怒髪天を付く怒りを覚えた…、しかし国王はそんな事は露知らず。

「それよりも、そなたに褒美を授けよう…!何が欲しいか?」

それに対し、俺は

「なら俺はこの娘さんを褒美に選びます…」

と言ってライナの肩を俺に寄せる。

それに対し国王は、キョトンとした顔で

「同性の彼女が欲しいのか?それならそんなのよりもいい女性を与えるぞ!」

またもや、信じられない言葉を吐き捨てる。

俺はもう限界だった…。

「ライナ…ここから出るぞ…」

自分でも驚くくらい冷たい声でライナに声をかけ、ライナの手を握り、

ポケットから取り出した銀銃を国王陛下の絵画に向け、トリガーを引いた…、どデカい発砲音と共にその瞬間国王の絵画の頭に風穴が開いたのを確認した俺はライナ連れ、黙ってその場をあとにする、兵士と国王陛下は眼を丸くしているがその後に我に返り、

「な、何をしている!?あの無礼者を取り押さえよ!!」

と国王が命令すると盾と槍を持った兵士達が一斉に俺達を囲い込む、だが、俺はそれ等を、

「邪魔だっ!!!」

その一声と共に道を塞ぐ兵士達を雷を纏わせた一閃で兵士達を倒す。

鞘が光り明確な敵意を確認した俺は脅すつもりで天井のシャンデリアを銀銃で撃ち落とした、撃ち落とされたシャンデリアは硬い床に落ちると瞬間炎を纏わせて、絨毯へと燃え広がり、出口へと向かう俺達の元へと燃え広がり出口を塞ぐように勢いよく燃え続けた。

これで俺はこの王国の敵となった、だが…悔いは無い…俺にとって大切な存在であるライナをこの腐った王国から連れ出す事に、成功したのだから…そんな事を思いながら炎上した城をあとにする俺達であった…。

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