村人達からの依頼は突然に

さて、勇者との決闘には勝利したが、どうしてくれようか…。

取り敢えずは村の皆に謝罪させようか。

「取り敢えず勇者共は村の皆に謝罪なっ?」

すると勇者パーティーの面々が口々に文句を垂れる

「何でよっ!!?」

「くぅっ…!俺は勇者だぞっ!!」

「そうですっ!神の祝福を受けた私達が何故謝罪など!!」

中には意味不明な事を言い放つ始末…。

なので、俺は、声にドスを利かせながら

「いいから謝罪しろ…」

すると勇者パーティーは村の皆に対し頭を下げ、

「申し訳…ありませんでした…」

と1言…謝罪する、が…

「謝っても魔物共はいなくなんねぇんだよ!!!」

「謝る気持ちがあるならこの村を守っておくれよ…!」

と口々に怒る村人達…、

まぁそうだよな…。

今まで相手しなかったそうだし…、その怒りは当然だ…。

すると村人の1人が突然こんな事を言う。

「なぁ…?いっそのこと勇者パーティーに依頼するよりあの姉ちゃんに依頼したほうが良いんじゃねぇか?」


えっ!?そこは流れ的に勇者に依頼するのでは…!?

「そうだそうだ!!勇者をコテンパンにするくらいだ!!よっぽど、そっちの方がいいっ!!」

「そうよそうよっ!!」

他の村人達もそれに賛成のようだ…。

まぁ魔物退治なら元の世界でも数多く引き受けたが…。

「分かりました、それで、その魔物とやらは…?」

すると村人の1人が村のはずれの洞窟を指差し

「あそこです…」

「あそこから夜になると巨大な虫みたいなのが出て来るんだ…」

「いつ村を襲ってもおかしくないくらいに頻繁に出て来るんだよ…」

巨大な虫か…俺の世界でも虫の魔物はいたがアレだったらちょっとしんどいな…。

「ではお許しいただきたい事が1つだけ…」

そう言って勇者パーティーの面々を見て、

「この勇者パーティーを連れて行きたいのですが…」

そう言うと村人達が

「いいよいいよ!是非とも連れてっておくれ!」

そして勇者パーティーの面々が文句を垂れる。

「何故私達が!!」

「アタシ等魔王討伐の旅の途中なんだけど!!?」

勇者パーティーの中でも特に僧侶らしき女性と魔道士らしき小生意気なメスガキ…もとい小さい女性が喚く…なので、

「煩い」

と睨みながら1言ドスを効かせた声で黙らせる、

すると

「はい…」

と小さい返事を返し、俺を睨む。

だが俺はそれに微笑みを返した。

「じゃあ、早速行こうか」

俺はそう言って

勇者パーティーとライナに声を掛ける。

こうして異世界に来て早々に依頼を受ける羽目になったのであった。

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