四話
私は砂にまみれて斜面に寝転がっていた。
服の隙間から細かい砂が入るがなんだかくすぐったくて小気味よい。
斜面の下を見ると砂があり、反対に上を見ると砂の丘が空の青とコントラストを描いていて無意識に手が伸びる。
「…」
私は頂上を目指して砂の山を登り始めた。
しかし足場が定まらない、手で登ろうとしても水をかくように何処とも掴まれない。
それどころか自重で少しずつ斜面をずり落ちていく。
砂の山の麓に何があるわけではない、けれど降りるのは酷く自分望みとは違う気がした。
息が上がるほど砂を蹴っていると背中から腕が生えて砂山に刺さり降下は止まった。
それどころか自分が望めばその腕で山を登ることさえできる。
きっといずれは山の頂上まで。
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