淫乱野郎。
突然だが、モブとチャラ男の差。
それはいったい何なのか。
そんな事を考えたことはないだろうか。
陽キャチャラ男や陽キャモブもいるが、陽キャ陰キャと軽く分けるのではなく出力の問題だ。
俺は三度のBSSにより数え切れないほどの苦悩の中、考えてしまい、気づいてしまったのだ。
BSSは関係ないか。
ただの失恋だなや。
違う違う。
モブより先におっぱいにでんするチャラ男の話だ。
そのチャラ男たちが、なぜかやたらめったら情報を持っていることに、疑問を持った事は無いだろうか。
また、ヒロインを口説いたり、相談にのったり、脅したり、追いつめたりと彼らは実に多彩なコマンドを持つ事に疑念を抱いた事はないだろうか。
そして何故、ヒロインが悩んでる最中に偶然にも通りがかり、現れることが出来るのか、ピンポイントでその悩みをぶち抜けるのかと、疑惑を向けたことはないだろうか。
それにはちゃんとした理由があったのだ。
彼らチャラ男は、ターゲットを口説き落とすために、ひがな1日中、SNSをチェックしたり、落としたい女の巡回ルート、生活圏の見回り、趣味趣向の把握、友人と仲良くなるなどなどそれらを昼夜問わず、努力して暴き続けているのだ。
俺はこれをチャラ男保有スキル、情報厨(スパイウェア)と名付けている。
なんか違う気もするが構いやしない。
彼らは並のストーカーには真似出来ないくらいのストーカーっぷりなのに、チャラチャラすることで誤魔化しているのだ。
例えばチャラ男たちは、寝不足で充血した目を隠すため、いつも徹頭徹尾にニコニコとしている。
例えばあくびとあくびの涙を、大袈裟なアクションと大きな笑い声で誤魔化し、それすらも武器として応用していたりする。
代表的なのは、「あーおっかしー涙出てきたーお前な〜面白すぎだろ〜あふぁはは」などがある。
自身のあくびと涙を隠しつつ他者を持ち上げ自身のプラス評価にする。
実際に目にした時には目を疑ったものだ。
本当に恐ろしいほどの卓越したテクニックだ。
そして陽気に明るく振る舞い人々と交流する事で、その中からヒロインの真実、プロフを一粒ずつピンセットでつまむかのようにして把握し、ヒロインという名のダンジョンのマッピングを完成させる。
その得た情報を上手く活用し、攻略ルートを確立し、眠い目を擦りながら堕としにかかるのだ。
そう、だからあいつらのいちいち事あるごとに呟く「だりー」は本当に怠いのだ。
鋭意努力中の愛の嘆きなのだ。
ただ、そんなことをバレるわけにもいかないからと、「面倒くせー」とかぷぅぷぅ文句を言って闇練、闇勉を誤魔化しているのだ。
とまあ、うんうんと語ってしまったが、普通は自分で攻略ルートを確立するのはなかなか難しいし、時間がかかるものだ。
特に入って間もない女の子を狙うなんて、ありえない。
季節はまだ四月。
新入生が魔道具やスキル、祝福や呪いなど、厄介なものを所持しているかどうか、まだわからないのだ。
この時期に一年生を口説きにかかったあの偽チャラ男は、林檎との会話内容から確度の高い情報を得るための捨て駒にされた可能性がある。
それはどこから。
ギルドだ。
偽チャラ男の言っていたコネだ。
そのギルドに、なぜかあの爆破騒ぎで監査が入っていない。
この学園の全てのギルドに入っていない。
特にあのBADアイテムの違法レプリカはまずい。仮にあれにちゃんとした効果があるなら入手経路も捜査されてなければおかしい。
つまり、交渉や説得や隠蔽にと、それらを叶えるための情報を適切に扱うことに長けている集団、ギルドが、この学園にあるという可能性が出てきたのだ。
まあ、林檎が焼き尽くした線も捨てがたいが…
くそがっ。
その集団を仮にギルド、淫乱野郎と名付けておこう。
なんか薔薇っぽいけど構いやしない。
大事なのは、それがこの学園にあり、力を持っている可能性があるということなのである。
つまり何が言いたいかと言うと、俺の部屋が、ギルド淫乱野郎の乱行部屋になる恐れがめっちゃあるということだ。
そういう話だ。
あーマジだっりー面倒くせー。
くそがっ。
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