[映画]キリエのうた

現在公開中の映画『キリエのうた』を観ました。


もともとも岩井俊二監督の映画は好きで過去作は色々見ているのですが、岩井俊二監督の映画は何パターンかあって、『ラヴレター』や『花とアリス』『四月物語』といった、最初から最後まで爽やか系の映画と、『undo』『リリィ・シュシュのすべて』などの鬱展開&バッドエンド物の映画とに、割とはっきり分かれてる気がします。


それとは別に、監督はミュージックビデオ出身のためか、音楽やミュージシャンをテーマにした映画も多く、『スワロウテイル』『リリィ・シュシュのすべて』は映画とクロスオーバーして現実にCDをリリースしていたりします。

また、『四月物語』は映画のセットを利用してMVを撮っていたり、『毛ぼうし』は逆にMVが短編映画みたいな作りになっていたりしました。


今回は『スワロウテイル』『リリィ・シュシュのすべて』で一緒だった小林武史が再び音楽を担当され、主演のヒロイン「キリエ」名義で歌を出すとの事で、なかなか大々的にプロモーションされている気がします。


で、前述の通り、岩井俊二監督といえば爽やか展開か鬱展開のどちらかによる事が多く(爽やか系の方が少ない気はしますが)今回は果たしてどっちなのか気になりながら見にいきました。


前情報だけ見た感じでは、主演の人たちは今売れてる人たちばかりだし、監督も60だし、そろそろ落ち着いてるんじゃないかなと思い見に行ったのですが、めちゃめちゃ鬱展開でした。


監督の過去作の中で最も鬱展開だった『リリィ・シュシュのすべて』と同じくらい、暗くて救いのない話に仕上がっておりました。


主演が売れてるアイドルだしとか、御歳60だしとか思ってた自分が甘かったです。

でも凄い良かったです。


話は主人公のキリエと名乗る新宿駅前でストリートミュージシャンをやっている女性が、イッコという女性と出会うところから始まり、イッコの家に泊まる事になって、翌朝イッコがキリエのマネージャーになると言い出すところから始まります。

そこからいろんなあんな事やこんな事があり、話も過去に戻ったり現代に戻ったりします。


岩井俊二監督の映画は長いか短いのどちらかが多く、短編は一時間くらいですが長編になると二時間半とかが普通だったりします。


『リリィ・シュシュのすべて』は長いし鬱だしで最初見た時にはもう見返す事はないかなと思ったのですが、なんかたまに見返したくなる時があり、たまに見返したりしていました。


『リップヴァンウィンクルの花嫁』は上映時間が三時間ありましたが、あまりに良かったので映画館へ2回目を観に行った覚えがあります。


今回の『キリエのうた』も上映時間はほぼ三時間あります。

今回も『リップヴァンウィンクルの花嫁』に負けない位良いのですが、鬱度が高いので2回目見にいきたいかと言われると……です。


でも、『リリィ・シュシュのすべて』もそうだったので、暫くしたらまた見たくなる気がしています。

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