第6話 蒼也  童貞卒業

 俺は、結構重症なコミュ症だ。

電話やメールなんかのやり取りはスムーズに出来るけど、対面すると まず相手の目を見ることができなくて、どこを見たらいいのかと挙動不審になってしまう。

大学に入ったばかりの18歳の頃、俺はそれまで女の子とつきあったことがなかったし、だから もちろん童貞だった。

そもそも、人に対してあまり興味も執着もない俺は、一生恋人なんてできないだろうと思っていた。


そんな俺とは違って、蒼真はよくモテた。

ただの女友達なのか、彼女なのか、セフレなのか、とにかく周りにはいつも女がいた。

俺と双子みたいって、姿かたちがそっくりでも、中身の問題なのか、こんなにも違うんだな~と、兄としては情けなく引け目を感じていた。

 

 

 俺の19歳の誕生日。

特に予定もなく、自室でパソコンをいじっていた。

トントンと、ノックされ、ガチャッとドアが開く音がした。

蒼真 ノックなんて普段しないのに、なんだよ?


「なに?」

そう言って振り返ると、そこには女性が立っていた。

ものすごくびっくりした。


「あ、……?……あ、蒼真の友達ですか?

えっと……、僕は兄の方で。

蒼真の部屋は、向こうなんだけど……」


そう言って立ち上がり、その女性を蒼真の部屋へ案内しようと思い近づくと、その女性は更に俺に近づき、抱きついてきた。


え………………?? どうゆう状況?


「お誕生日おめでとうございます。わたし、蒼真さんからのサプライズプレゼントです!」


は?

つまり、俺の童貞を卒業させてくれるっていう、サプライズプレゼントとして蒼真があてがってくれたのだ。


拒否することもできた。

でも、フザケているのではなく、蒼真が俺のことを真剣に考えてくれて、このプレゼントをくれたのだということは理解できた。

それに、なによりこの女性は、ドンピシャに俺の好みのタイプだった。


「わたし、22歳であなたよりも年上です。

あなたの好みじゃなかったら、申し訳ないんだけど、わたしがリードするので、安心して身体をあずけてください」


そう言うと、ベッドへ促された。

女性は、いとも簡単にサラっと服を脱ぎ、更に俺のTシャツとスウェットとパンツを一瞬で脱がせた。

ベッドで裸で仰向け状態の俺に跨がると、股間に顔をうずめた。



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