第零話 始まりの狼煙

「今回の作戦、どう思いますか?」


「さぁな、あれだけの数だ、本部はそれだけ本気って事だろ」


 ここは太陽系外周、冥王星軌道の一番外側の更に外。そこには総数七百隻からなる大船団が集結していた。その中の一隻。その艦橋で二人の男が話している。


「・・・これの、三分の二が動力艦、失敗したら全員丸ごと、ですね」


「あぁ、四百メートル級の核融合炉が四百隻以上、馬鹿みたいだぜ」


『報告、作戦宙域に到達、総員準備体制に入れ』


 艦内放送が響く。


「はぁ、うし、やりますか」


「はい」


 彼らが居る艦隊は、超弩級戦艦十隻、空母二十隻、巡洋艦三十隻、駆逐艦五十七隻の総数百十七隻から成る第一艦隊、同構成の第二艦隊、そして武装もまともにない核融合炉のみの動力艦が四百六十四隻、それを統括管理し、転移装置を積む超弩級を上回る七百メートル級の巨大艦が二隻で構成された別世界転移の為に創られた連合艦隊である。

 そして艦隊は転移の為の行動へと移る。まず第一艦隊と動力艦の半分、巨大艦一隻が陣形を組む、そして動力艦の半分と巨大艦の一隻は陣形を組んだ他の艦を包み込む様に球形に陣形を組む。第二艦隊はその外に防衛陣を組む。


 男は艦隊を囲む動力艦を見て言う。


「ほんと、とんでもねぇ数だな、星一個作ったみてぇだ、とはいえ、本当に異世界だかに行けるのか?」


「何でも今回の転移装置は新型でだいぶ省エネらしいですよ」


「カァー、俺たちゃ実験台か、省エネ性よりも信頼性が欲しいもんだ」


「まぁまぁそう言わず、一応試験はされてますから、旧新どっちにしろ異世界だかなんだかに初めて行くんですからどっちにしろ、ですよ」


 その言葉に対し男は大量の動力艦を見上げて不安げに言う。


「はぁ、上手くいってくれよ?」




 巨大艦から白い光が溢れる、艦隊を囲む動力艦隊が共鳴を始める、そして艦隊は白い光に包まれた。


──────

お読みいだきありがとうございます。

本作、新年という事で見切り発車で始めまして書き貯めは一切ありませんので出来るだけ一日一本を心がけますが、一日二日空くことがあるかもしれません。そのような本作ですが応援して下されば幸いです。コメント、フォローや星等貰えましたらモチベーションになりますので是非ともよろしくお願いします。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る