第11話 王女様と彼シャツ
「ただいま!」
金曜日の夜、雄一は珍しく定時退社し早めに家に帰る。
「あら、雄一、今日はお早いのね!」
リリィがワイシャツ姿で下は下着一枚の状態で出迎える。
「いや、お前、その恰好、何やってるの?」
「わたくし〇ーチューブ配信を始めましたの! 『姫ちゃんねる』のフォロワーたちがわたくしの彼シャツ配信を見たがるものですから! もちろんマネーのためですわ!」
「いや、それアイロンかけたばかりだから……直ぐ脱いでくれ!」
雄一はワイシャツを勝手に着られていることだけではなく、遂にリリィが〇ーチューブにまで手を出し始めた順応性に少し恐怖すら覚え始める。
「脱げですって! わたくしに下着姿になれと! わたくしが帰れないのをいいことにそんな辱めまでさせようとするなんて、こちらの世界の男は本当に変態ばかりですわ!」
「いや、普通に着替えてくれってこと! あと、BL本欲しがっている奴に言われたくねぇわ!」
「BL本は芸術ですわ! あなたの性癖とは違いましてよ!」
リリィは占拠している雄一の寝室で部屋着に着替える。
「まったく、異世界からの迎えはいつ来るんだよ……。あと、クリスさん今日は深夜勤だったな、帰ってきたらお腹すくだろうから、おにぎりとコロッケでも用意してテーブルに置いておくか……」
なんだかんだ見た目はインテリで冷たそうな雄一ではあるが、意外と面倒見の良いインテリメガネなのであった……。
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