高校生に告ぐ

@yoshihamu

第1話 運命とは(1)

妹から、

「私、結婚します」と唐突に言われた。

僕は、冷静なフリをしながら、口を開いて、

「おめでとう」と自然に返した。

いや、違う。妹の目には、明らかに動揺してる自分の姿が映っていたのかもしれない。


僕が兄と妹の3人兄妹の中で、1番結婚が早いと思っていたのは確かだ。

だけど、現実は違うみたいだ。

まあ、いいかと思いながらも、網に残ってる最後の一枚の焼き肉を食べ、妹の結婚を素直に受け止めた。


結婚に競争なんてないよ、そう自分を説得しながら。

俺、悔しいのか。いや、違う。運命の人に、出会うことが大事だよな。

そして、その人と一生一緒にいることが、結婚の本質だ。


世間や親は、焦らないと結婚できないと心配してくれるけど、離婚するリスクとかも、ちゃんと考えてくれてますか。失敗したら、どうするんだ。内心いつも思っていた。


だから、普通は運命の人はなかなか現れない。


だけど、僕は幸運にも、もう運命の人と出会っていて、相思相愛になっている。


しかし、彼女は今ここには居ない。海の向こう側に行って、もうすぐ2年が経とうとしている。


こんな僕を受け入れてくれた彼女は、僕にとって唯一無二の最愛の人だ。


だから、彼女を手放したくない。必死になって手を繋いでいる。第一優先である。


コロナ中の国際恋愛は、まさに戦時中の恋愛のように、難易度が上がっている。


言葉による支え合いの限界を何回感じただろうか。


だけど、好きな人だから。1番好きな人だから。諦めるわけにはいかないなんだ。


そして、自分の心に、大嘘をつきたくない。


恋は忘れることができるかもしれないが、愛はきっと忘れることができないだろう。


彼女への愛なんか絶対に…

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