第25話 水曜日のBurn-out

幾何学的な雪の結晶模様のカーテンを見つけた。

雪の部分に、うまく暗めブルーの透け感をだしていて、光がとおるととても綺麗だ。

遠くからみると、部分的な薄いオレンジ系パステルの透け感も綺麗。

Burn-Out Finishing、日本ではオパール加工と呼ぶそう。


酸に強い繊維と弱い繊維を複合化した織物に、硫酸などの酸化剤で捺印をつけると酸に弱い繊維が抜け落ちて透けてみえる状態になり、酸に強い繊維が残る。

ちなみに酸に弱いのは綿やキュプラ、セルロース繊維(レーヨン)などで、酸に強い繊維は合成繊維(ポリエステル、ナイロン、シルクなど)である。


実際の工程としては、うすい硫酸を混ぜた酸性のりで生地に模様をプリントし、酸に弱い繊維が炭化する性質を利用し熱処理をする。炭化した部分を落とすと酸に強い繊維の模様だけが残る。

部分的に透け感を出す事が出来るというわけだ。


考えた人はなんと素晴らしい!

3Dのようにも見えるからなお凄い!


かろやかに透けてみえる織物は、こうしてうみだされる。


めいっぱい光に透かしたカーテンは、風に揺れるたび、その影すら素敵に彩り、光を操っているかのよう。

ビューティフル!


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