第10話 火曜日の春鹿
毎年、正月のお屠蘇は、ドラッグストアでティーパックタイプを購入し、前日夜から日本酒に浸して作っていた。
が、今年のお屠蘇は違う。
そもそもの屠蘇について、「屠」は追い払うの意、「蘇」は鬼の意味がある。
新しい出発にあたり、邪気を払い身体の新陳代謝の滞りをうながし清健に長寿をはかる為、処方されたもので、予防、未病のための薬味酒である。
一家揃って、三が日、食前に酌む他、年始のお客様には誰にも先ず、お屠蘇を献じる。
さて、何故今年のお屠蘇が違ったか、それは、前日仕込まなくても良い、瓶の屠蘇を昨年末、手に入れられていた事である。
創業元暦元年(1184年)、平安時代から続く老舗が煎じた「春鹿」。
本味醂、日本酒、山椒果皮、みかん皮、桔梗根、浜防風、桂皮
う〜ん、しみいる〜、これがお屠蘇〜(毎年お屠蘇は飲んでるだろーが)
「ちがいのわかるオトコ」のフレーズが浮かんだ。
ちょい違うけど〜。
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