斬りつけ事件

それは、こんな話だった。


 夏休みも終わろうとする頃だった。

 学校で生徒が斬りつけられるという事件が発生した。

 一人目の被害者は原田という女子生徒だ。

 幸い、剃刀で手を斬られただけで、命に別状はなかった。

 不思議なことに、原田は斬られたことに、血を見て、初めて気が付いたそうだ。

 犯人の顔も見ていない。


 次は池田という女子生徒が被害にあった。

 また、知らぬ間に斬られていた。今度は脚だった。

 こちらも命に別状はないので、保健室で消毒してもらい、事は済んだ。


 三人目は中森という女子生徒が被害にあった。

 今度は顔を斬られたとなって、事が大きくなり、全校集会でも取り上げられた。


 斬りつけているものの姿が見えないので、犯人探しに難航した。

 妖怪説まで流れ、今に至る訳だ。


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