ep6/双罪紋のリゼータ(後編)
「ところで……
唐突にメギルの口から始まったニュースに、リゼータは思わず立ち上がった。それはリゼータにとって待ちわびた情報だ。恐る恐る「進展があったのか?」と問えば、メギルは得意気な笑みを浮かべた。
「協会の反応は悪くないな。むしろ非常に協力的だ。特に今回の
「本当か。じゃあ、ついに俺たちが……」
「ああ。現実味が出てきた。ついに
第十六位・粘獣級から始まり、第十五位・卑霊級、第十四位・小鬼級、第十三位・霊骨級。ここまでが初心者。
第十二位・豚鬼級から始まり、第十一位・呪像級、第十位・牛鬼級、第九位・呪鳥級。ここまでが中級者。
第八位・戦鬼級から始まり、第七位・冥僧級、第六位・鬼将級、第五位・飛竜級。ここまでが上級者である。
中級までいけば、稼ぎは一般市民を大きく超える。上級者ともなれば、仕事の依頼は引く手数多となり、引退しても裕福に暮らせるようになる。
だが――更に上位の
第四位・銅竜級、第三位・鉄竜級、第二位・銀竜級。そして十六階級の頂点となる、第一位・金竜級。
金竜級ともなれば英雄視され、世界的に賞賛を受ける存在となる。そして現時点で
通常ならば、ここから王侯貴族が
神還騎士団ともなれば、王侯貴族のごとき権力を有することとなる。更に
そしてその
「ありがとうメギル。あんたのおかげだ……本当にありがとう」
しばらく呆然としていたリゼータだったが、我に返ってメギルに向き直ると、その
メギルは力強く口角を上げて
「あんたに礼がしたい。何か欲しいものはないのか?」
そうリゼータが尋ねる、と急にメギルの様子が変わる。妖艶な笑みを浮かべながら、リゼータの胸にしなだれかかり――その唇を
メギルの口付けは、激しさを増していく。やがてそれにリゼータも応じ、しばらく二人は呼吸も忘れてキスに夢中になった。
「はぁ、はぁ、はぁ……私の今の願いはたった一つだ。気が狂うほど抱いてくれ。戻れなくなるくらい
互いの鼻が触れ合う距離。
そしてその燃えたぎる情欲に当てられて、リゼータの理性の
「……分かった、今日は
「――ひっ!」
リゼータが見せた
しかし、この後に吹き荒れる快楽を
かといって、
「リ、リゼータ……頼む。最初は……優しくしてくれ」
「ダメだ。本気にさせたお前が悪い。覚悟しろメギル」
「ううっ……この女殺しめ。地獄に落ちろぉ……あんっ!」
メギルがベッドに押し倒され――耳に、
「……むっ?」
リゼータが
寸前でおあずけを食らったメギルは、実に不満そうな顔をしていたが――やがて異変に気付いたのか、はだけた胸元を隠して五感を研ぎ澄ませた。
リゼータの対応は速やかだった。すぐさま窓を開放して襲い来る異変の正体を探る。いつもの
その吐き気を
「……メギル、落ち着いて聞け」
「ど、どうした? 何だ一体……?」
不安げに訊ねるメギルには、いつもの
それも仕方の無い事だ。間違いなくこれから、数え切れない人間が無残な
「間もなく
目を見開いて息を
もはや
「すまん、無様な姿を
それから一時間後――地獄がやってきた。
帝都中に警報が
そんな
メギルに
一見は無秩序に暴れる
しかし言うは
ゆえに常人であれば、首魁を討伐する事に迷いを抱く。しかし――リゼータは瞬時にその選択をした。その理由は、もちろん被害を
(今、帝都でまともに動けるのは
現在の帝都の戦力は手薄となっており、最も頼りになるはずの
次いで期待の出来る戦力としては、上級の探獄団だが、不運な事に金竜級は
(この獣災を収めれば、空猫ノ絆は確実に神還騎士になれる)
さらに言えば、リゼータはやはり
(入団を確実なものにする為に。ここで絶対的な功績を上げる……!)
――こうしてリゼータは、危地へと辿り着いた。
勢いを増した風雨に
「……なるほど。千年級の
それは協会が指定する脅威度の、最高値を超える怪物だった。もはや生きる天災とも言えるだろう。
幾多の強敵を屠ってきたリゼータではあったが、今回ばかりは分が悪いと
リゼータは大きく深呼吸して精神統一すると、これから繰り広げられる戦闘について、頭の中でいくつもの展開を想定し、素早く戦術を組み上げていった。
「そろそろ、
後は仲間の集結を待つのみとなったリゼータだったが、眼下で異様な事態が起こっている事に気が付いた。
そしてすぐに、リゼータはその理由に気付く。女戦士は背後にいる子供たちを
「……馬鹿な。あいつ死ぬぞ」
か弱い子供を護りたい――その気持ちは分かった。理解もできる。だがこのままいけば、女戦士も子供も間違いなく死ぬだろう。全滅は
女の
リゼータの喉から、思わず「ふっ」と笑いが込み上げる。それは愚かと
本来であれば、仲間が
あの
(……なに、あいつらが来るまでなら、一人でもどうにか持ち
不敵な笑み浮かべると、リゼータは双剣を
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