Mystery Point ―ミステリーポイント―
「つかいい加減に俺にも今回の……事件? のことを教えろ。何も分からねぇまま話が1人で高速道路に乗っちまってんだよ」
俺は両腕をモデルスタイルの双子に掴まれた状態でぼやいた。
2人は雰囲気のそっくりな顔を見合わせて、少し経ってから「そうだった」とかほざく。どんだけ俺が巻き込まれたと思ってんだよこいつら本当によ。
「妹子、先生にも推理できる余地を残しておいた方がいいよね」
「ええ、宙ぶらりんの放置プレイは興ふ……緊張しますもの」
「妹子お前今何言いかけた??」
「兄一郎、説明と概要をお任せしてもよろしくて?」
「もちろんさ。現状では妹子の洞察力頼りだけどね」
もしかしなくてもヤバい奴らだな。そんなことを考えている間に、兄一郎が髪を後ろになびかせて話し始めた。
「あのね、僕らが見えているのは生霊だ。
生霊を放つ人、以下『犯人』で統一するね。犯人になりやすい人の特徴は自我が強くて勝手な性格を持っていることだよ。あくまでも傾向だけど。
そしてもう一つ。自分の魂を切り離しているっていうのと同じ状態だから、犯人自身も体調を崩している可能性が高い。
以上のことから犯人は推測できる。とはいっても、僕は妹子とは違って後付けの理論で説得力を増させることしかできないけど」
肩を竦めて兄一郎は笑う。説明は終わったらしい。
その条件だったら心当たりがないわけではなかった。ただ、俺自身の感情と先入観が「まさか」と言わせるだけで。
「兄一郎、先生」
妹子が袖を引っ張ってくる。微笑んで、彼女は前方を形の良い顎で指した。
「犯人さんのお見えですわ」
◇◇◇◇◇◇◇
☆推理前提☆
・『先生』は作中に出てきた生徒全員から高評価されている
・犯人は名前が出ている
☆人物まとめ☆
青髪モデル体型の長身美少女。1年。何か問題が発生したら大概こいつが関与している。
灰髪ヒョロガリチビ。2年。他人の観察眼がそれなりにある。
身長エレベストピンクヤンキー。2年。『先生』に依存している節があるらしい。
伊達メガネ三つ編み。2年。補習組を呼びに来てくれるくらいには生真面目。
黒髪長髪男性。2年。論理的思考型探偵。
黒髪おかっぱ女性。2年。心理的思考型探偵。
被害者 『先生』
学校のツッコミ:ボケ=1:9の貴重な1側。いっつも何かに巻き込まれて頭を下げてる。
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