Listen 雲霞、犇く #深夜の二時間作詩 「聴く」
投身/時報(21:46_23:21)雲霞、犇く
蕩けた雪原・(同上、)甘い。
ミミズがのたうつ声を腹の底で感じたので、それを早口に便りにしたためましたが、
私のもとに届いた香りは観察すれば異国のような封蝋で、近所の風のようなコワイロでした。
耳を澄ましてささやくイロハを、どうしたの? 指折り拵えて織りましたから部屋には、
小首に巻いたストールは、あたたかさだけを騙るようで、菊のような者が傾けたからだごと、
夕方には鼻歌交じりの恋文が、と尋ねると。倉庫から、終奏が附録のように届いたような気がしました。
パントマイムの口吻。割り切れない嵌め絵遊びのマエストロへ。
組み込まれているいばらの道にある螺旋階段を、硝子の靴で駆け上がると、掛け接ぎだらけの日常が滑落していく光と影がまた、不可視に、ひび割れだらけに貼り付けられて、いろめくように、疾走らせる、一瞬だけの瞬きが、歪み撓んだ弧を画き、スパンコールの鱗粉や、嘴らしき歯牙を失くしたざわめきが、手相の余波を伴い流れていった。
廻り続ける季節に彩られた幽微の櫓、鳴き砂の花園、燃えるような風紋の万華鏡の、華の黙祷が、コレほどまでに狡く手酷くて美しいとは。
午後11:20 · 2023年1月28日
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