会食









 

 場所は変わり、セシル行きつけの店




 セシルはアルフレッドとリベルと共に学園を出て、自分の行きつけだった店に訪れていた



 Sランク冒険者であるセシルの行きつけ——といえば、その豪華さは計り知れるだろう



 

 そんな高級店で個室に案内してもらったセシルは現在、五人でテーブルを囲んでいた



 メンバーはアルフレッド、アーグ、セシル、リベル、そして——カレンだった



 初対面の相手との食事に戸惑っている四人を他所に、リベルだけが美味しそうに料理を食べている







 『うん!!これ美味しい。カレンさんもこれ食べてみてよ!』




 「そ、そう?それじゃあ頂くわね。…………それでその……私はカレンです。は、初めまして」




 「あっ、こ、こちらこそ初めまして。私はセシルです。それでこっちの二人は――」




 「アルフレッドさんと、ギルドマスターのアーグさんですよね?皆さん有名なので……知ってました」



 「そ、そうでしたか…………」




 「「…………」」






 リベルから手渡しされた皿を前に置き、ペコリと挨拶するカレン。だが置いただけで手は付けない



 と言うより、リベル以外誰もまだ料理を食べていなかった




 セシル、アルフレッド、アーグは当然、カレン自身も何故ここに自分がいるのか分からず戸惑っていたのだ





 セシルはアルフレッドを連れ、どうせ後でリベルについての報告をするからと、アーグを呼びに行った


 

 だが、セシルが冒険者ギルドに寄りアーグを呼んで戻ると、外で待っていた筈のリベルが隣にカレンを連れて来ていたのだ



 リベル以外の一同は戸惑いながらも、店に行く為セシルを先頭に歩き出し、現在に至っていた








 「あ、あの……私、やっぱり邪魔なんじゃ……」

 


 「い、いえ!そんな事ないです。どうぞ食べてください。ほら!!アンタとアーグさんが手をつけないから、カレンさんが気を使ったでしょ!?」





 「……そうだね。私もそろそろ頂くとしよう」




 「あ、あぁ。そうだな」






 場違い感を感じていたカレンが問いかけたことにより、やっと全員が料理に手を付けた



 カレンも少しずつだか、料理を口にしている






 (……カレンさんとリベルの関係って……どう言う関係なのかしら)







 「うん、とても美味しいね。ところで、カレンさんとリベル君はどういう関係なんですか?」







 セシルが丁度疑問に思っていると、アルフレッドが同じことを質問した



 この状況でアーグ含め、三人とも全く同じことを思っていたのだ







 「ど、どういうと言われましても……リベルに肉を売った関係……なんですけど……」




 「え?あっ、そうなんですか。肉を売った関係とは。いやー、それは面白いですね。アハハハハ」





 「「…………」」







 想像もしていなかった返事に戸惑いながらも、

アルフレッドは笑って誤魔化そうとしていた



 セシルはアルフレッドが戸惑っているのを見て珍しいと思ったが、自身もそれどころではなかった







 (肉を売った関係って……何が何だか)






訳が分からず再び黙り込んでしまった一同



 静寂がこのまま続きそうな中声を上げたのは、

リベルだった






 『カレンさんは優しくていい人なんだよ?お金のこと教えてもらったし、制服も褒めてもらったんだよ。ね?カレンさん』




 「え?あ、そ、そうね。確かにそうだけど……

どうして私を呼んでくれたの?」







 セシルはカレンの様子から予想はしていたが、

本人も何故いるのか分からないと言うことに更に戸惑った



 アーグなど混乱し過ぎて、先程から眉を顰めて黙りっぱなしだった。アーグのただでさえ怖く、イカつい顔が、いつにも増して歪んでいる







 『だっていい店に行くってセシルさんが言ってたから……。もしかして美味しくなかった?』




 「い、いや美味しいけど……なんと言うか、場違い感が……」





 『場違い感?なにそれ?まだ知らない言葉だね』





 「そ、そうなの?場違いって言うのは……身分や立場がその場に相応しくないことを言うの……今みたいにね」

  






 目の前の二人のやり取りを、ただ黙って眺めているセシル達



 リベルは場違いと言う言葉を知らないようで、カレンは意味を説明しながら縮こまっていく様だった




 アルフレッド達Sランクや凄い面々と何故か食事をしていたカレンは、場違い感を全身で感じており、凄く気まずかったのだ




 セシル達も自分が逆の立場ならと思うと、その

気持ちが痛いほど分かってしまい同情していた








 『え?なにそれ、誰がなんで場違いだって決めるのさ?』




 「誰がと言うか……私が…………アルフレッドさん達は有名だから……」




 「リベル、カレンさんは私達と初対面だから戸惑ってるのよ。初めての相手とこんな所であったらしょうがないわ。……私達もそうだし」




 『??みんなカレンさんと初めて会ったの?』

 



 「……そうね」



 「私も同じくだ」



 「あぁ……俺も初めましてだな」






 三人からすれば今更の事を尋ねるリベルに、一同が口を揃えて答えた







 『そうなの?つまり……みんな緊張してるってこと?』




 「え?あ、そうね。大体そう言うこと……かな……」

 




 「「…………」」





 『なんだ。みんな緊張してただけなんだね。

ん??てことは、みんな今日友達になったって事か。フフッ、良かったね』







 軽い口調でそんなことを言うリベルに、ただひたすらに困惑してしまった一同



 リベルは再び料理を食べ始めたが、先程からずっと食べていた為、皿は綺麗になっていた






 『あ!!大変だよセシルさん。もう食べ物がないよ!おかわりはないの??』





 (リベル、こっちは違う意味で大変よ……!!)





 「そ、それは大変ね。それよりリベル?この店は食べる物を自分で選んでお皿に乗せることもできるのよ。どう、興味ない?」

 



 

 『え、自分で!?なにそれ、興味ある!』

 




 「良かったわ。——すいません!この子をビュッフェに連れてって貰えますか?」






 セシルが部屋の外で控えていた店員に呼びかけると、店員はかしこまりましたと頭を下げて、リベルを丁寧に案内して行った



 店員の後をつけてリベルが部屋を出ると、セシルが待ってましたとばかりに話を切り出す

 





 「カレンさん!戸惑う気持ちは痛いほど分かります。私達も何が何だか分からないので、取り敢えずリベルとの事を一通り聞かせてもらえないですか?」






 セシルはリベルの、こちら目線の事を微塵も考えてないような説明で理解する事は無理だと思い、

困惑している一同だけで話をしようと思ったのだ



 幸いここは個室で、ビュッフェがあるのは大勢が食べるホールだ


 リベルが食べ物を選ぶ時間を考えれば、時間は十分にあると思えた







 「……確かにな。俺はもう何が何だか……アルフレッド、お前はどうだ?」




 「アハハハ。カレンさんも戸惑っている様だし、ここにいる人は全員同じ気持ちだと思うよ?」

 




 「は、はい……なんと言うか……私もよく分からないんですけど、リベルとは――」





 

 セシルの考えによってようやく少し空気が軽くなったのを感じた一同は、溜まった息を吐いたり、顔を緩ませたりしていた


 一同はカレンの話を聞きながら、お互いに分からない状況を理解しようと少しお互いの事やリベルとの事を話し、会話らしい会話をしていった



 そこで互いに提供された情報に混乱は消えなかったが、一応、かろうじて状況は理解出来ていた

 






 「つまり……リベルとは数日前に初めて会ったんですね?」

    



 「はい。私もまさかリベルが……アルフレッドさんに勝つくらい強い子だなんて……想像もしていませんでした……」





 「アハハハ。いやー、私もまさか負けるとは思ってなかったんですよ。あの時は凄く驚きました」




 「おいおい。それを言うなら横で見てた俺の方が驚いたぜ。何が起きたかすら分からなかったんだからな」






 セシル達はカレンとリベルの間にあった事を大体聞き、カレンはリベルがやった事や、やらかした事を聞いていた



 アルフレッドがリベルに負けたと聞いた時のカレンの驚き様は、容易に想像がつくだろう



 セシルは驚くのも無理はないと思い、実際自分も驚いたのでそこはカレンに同情していた





 しかし、何故カレンが呼ばれたのかは依然分からないままだった






 (なんでリベルはカレンさんを……会って数日でしょ?カレンさんを気に入ってるみたいだけど……)

 




 「でもそれじゃあ、なんでリベルはカレンさんを呼んだんだろうな?…………話を聞くに、随分カレンさんのことを気に入ってるみたいだが……リベルも男だったってことか?」




 「確かにカレンさんは綺麗だけど……私はそういうのじゃないと思うけどな。大体リベル君に、そんな感情があるように見えるかい?」

 

 


 「……確かにな。この前なんて――」






 アーグが憶測を飛ばしていたが、自分でもそうは思えない様子だった




 アルフレッドと同意見のアーグは、以前レインとリベルが依頼を受けた時の事を皆に話し出した


 


 アーグはリベルの受付担当を、既にレインに任せていた



 その理由をレインが尋ねた時、お前らそう言う関係になったんだろ?――とハッキリ物を言うアーグにレインは赤面し、慌てて否定しながらその時の事を詳しく説明していた




 現在アーグは、その時レインに聞いた事をアルフレッド達に聞かせていた






 「まぁ要するに、リベルはレインと二人で寝ても何も感じてなかったらしい。それでレインに変なこと言うなって文句を言われちまったんだよ。……

まぁ、レインは満更でもなかったみたいだが」




 「アハハハッ。リベル君は男の私から見てもカッコいいからね、仕方ないんじゃないかな?セシルはどう思うんだい?」


 


 

 「確かにカッコいいけど……なんか見た目と中身が違うみたいよね」




 「あ、それ私も分かります。なんか……話してみると可愛いですよね?」




 「そうなんですよ。アルフレッドなんかよりカッコよくて風格あるのに、笑顔で喋ると可愛いんですよね」







 セシルとカレンは、お互いに話して笑顔になっていた



 しばらく言葉を交えた四人は既に、少し前よりは確実に距離が縮まっている様子だった







 「ハハッ、見ろよアルフレッド。これが女子会ってやつか?今度レインも入れてみたら面白そうだな」




 「何かセシルに貶されている様だが……事実だからしょうがないね。それにリベル君は、単にカレンさんが親切で優しかったから気に入ったんじゃないかな?カレンさんが嘘をつかないで話していたから――とかね」




 「さっきも思ったんですけど……本当に嘘を見抜くんですね」




 「アハハハ!アーグなんてそれで酷い目にあったみたいなんですよ」




 「おい、思い出させるなよ。あの時、あんな殺気を向けられた俺の気持ちが分かるか?お前が来てなかったら俺は死んでたかもしれないんだぞ?」





 


 アーグがその時の事を思い出したのか、顔を顰めて話していた



 その様子をアルフレッドは笑い、カレンやセシルも微笑んでいる



 カレンが最初感じていた場違い感と気まずさは

既に消えており、セシル達もカレンと距離が近くなったことを実感していた

 

 




 

 「私、アーグさんってもっと怖い人かと思っていました。最初の方なんてずっと顔が怖かったですし……」




 「フフッ、アーグさんの顔が怖いのは元々ですよ。それよりカレンさん、これからも気軽に話しかけてくださいね。何かあったら私達に相談でもしてください」




 

 「そうだな。何でも頼ってくれ」





 「ありがとうございます。……フフッ、そう言えばリベルにも全く同じことを言われました」






 

 皆落ち着き、笑顔で会話をしていると、リベルが皿を両手に持って戻って来た


 そしてその後ろには、何やら大変そうに皿を沢山持っている店員がいる







 『セシルさん!!凄く沢山食べ物があってさ。もう食べたい物全部持ってきたよ。もちろん、お肉多めでね』




 「そ、そうなの?——あ、すいません。そんなに沢山お皿を持ってもらってありがとうごさいます。後は私が貰いますので」







 そう言って、セシルは店員が持っていた皿を浮かべた



 魔術師としてSランクのセシルには、これくらい余裕の事だ


 皿を持ってもらった店員は余程苦労していたのか、疲れた顔でお辞儀をして部屋を出て行く


 

 リベルに付き合わされて、相当疲れていたのだ



 何せ——これと〜あれもお願い。あとはあれもでしょ?あ!!あれとこれもね!――と言うように、リベルが指さした物を全て皿に移していたのだから仕方がない



 Sランク冒険者で上客でもあるセシルの連れだった為、店員は何も文句も言わず接していたのだ

 





 『カレンさん!!これさっき味見したんだけど、凄く美味しかったよ。あ、みんなも食べていいからね!』




 「味見!?リベル、まさか直接取って食べたりなんてしてないわよね?」




 『ん??店員さんが皿に乗せたものを全部味見したんだけど、ダメだった?』




 「そ、それならいいけど……」






 (……店員さんに後でもう一回お礼言ったほうが良さそうね)






 ——リベルが言った状況を想像したセシルは凄く苦労をかけたと思い、後程店員にお礼を言った







 「アハハハ。随分多いが、喜んでもらおう」







 リベルが持ってきた料理により、テーブルは埋め尽くされている



 だが皆美味しそうな料理に手を付けていき、そこに最初程の空気の重さはなかった

 






 『みんなもう仲良くなったんだね』



 「フフッ、そうね。カレンさんとも仲良くなれたわ」




 『カレンさんは?もう仲良し?』

 



 「そうね。リベルのおかげで、セシルさん達と話せるようになったわ」






 笑顔で答えるカレンと、先程より賑やかに周りで喋り出しているアーグ達



 リベルはそんな光景をみて満足したのか、笑顔で喜んでいた


 

 



 『それにしてもこの店美味しいね。カレンさんもこれからここに来た方がいいよ!』




 「それは無理よ。リベル、この店凄く高いのよ?」

 

 


 『え、そうなの??セシルさんお金大丈夫?』




 「他の店と比べると確かに高いけど、全然大丈夫よ。カレンさんも値段なんて気にしないで食べてくださいね。こう見えてSランク冒険者なんですから」



 「そうだぞリベル。なんか欲しい物でもあったら、この二人に頼んじまえ」

 

 




 現在リベル達が訪れていた店は、支払いを金貨でする様な高級店だった



 なのでカレンからすれば、普段来ることがない様な店である



 しかし、国民からも周知されるようなSランク冒険者ならば、ここでの食事くらいで何も問題にはならなかった







 『アーッハッハッハ!カレンさん、何も心配はいらないよ。なんたって、この前俺もSランクになったんだからね!』




 「えぇ、セシルさん達から聞いたわ。凄いわね」




 『フフフッ、当然だよ。だって俺は、最強だからね』

 



 

 


 褒められて嬉しそうに胸を張っていたリベルは自分もお金を稼ぐと言い出し、アルフレッドに一番稼げる方法は何かと尋ねる

 

 





 「うーん、一番か。これと決めるのは難しいけど、思い浮かぶのはダンジョンかな。お宝にもよるけど、入手した武器や道具を売ると結構高いんだよ。それにダンジョンには、ごく稀に宝物庫が現れることがあるからね」







 ダンジョンは攻略する毎にお宝が貰える。これは以前レインがリベルに説明していたことだ



 だがそれは、宝だけでなくダンジョン自体がリセットされるということだった



 倒された魔物や宝を何度も生み出し、繰り返しリセットされるのがダンジョンという存在だった




 だがそのリセットの過程で余計に発生した力が溜まると宝として具現化する事があり、その部屋——もしくはそのエリアを、皆は宝物庫と呼んでいた




 ごく稀にしか現れない宝物庫は、現れているのに気付かず攻略してしまうと再びリセットされて消えてしまう



 

 その為発見することは凄く珍しく、困難だったが、見つければ多大な富を得られるものだと周知されていたのだ






 『ダンジョンか、すっかり忘れてたよ。今度行ってみようかな』

 



 「おう。その時はギルドに来てくれ。ダンジョンの紹介と案内をするからな」

 



 『オッケー』




 「それじゃあ料理もなくなったことだし、今日はお開きにしましょっか。お金は私とアルフレッドが払うわ」

 







 テーブルの皿が綺麗になったのを見て、セシルが席を立った


 皆お腹いっぱいの様子だったので、タイミング的にはバッチリだろう



 セシルは先程から、まだまだ食べそうなリベルを見て金銭の危険を察知していたのだ



 もっとも、それは決して払えないというわけではなかったが……

  





 「わ、私もかい?てっきり君の奢りかと……」



 「そんな訳ないでしょ。ケチなこと言ってんじゃないわよ」







 アーグは二人のやり取りを見て、ご馳走になるぜアルフレッド!――と言いながら大笑いしていた


 リベルもそれに便乗してはしゃぎ、カレンとセシルはそんな様子を微笑みながら眺めていたのだった——



 


 『それじゃあまた明日ねー』



 「今日はご馳走様でした。本当にありがとうございます」




 「いえいえそんな。それじゃあこれからも仲良くしましょうね、カレンさん」




 「はい、こちらこそよろしくお願いします」






 

 支払いをして店を出た一同はお互いに挨拶をし、アーグやアルフレッドも、これからよろしくとカレンに言っている


 

 解散したカレンとリベルは、共に同じ方向へと歩いて帰って行く


 いや……同じ方向と言うよりも、リベルがカレンについて行っているだけだったが——





 その姿を見送り、残された三人は、その場で少し話した






 「……やっぱリベル、カレンさんのこと気に入ってるよな?」




 「まぁ、理由はどうあれ、気に入っているのは確かだろうね。……まさかアーグ、カレンさんを利用する気じゃないだろうね?」






 眉を顰めたアルフレッドが、アーグを見据えて尋ねる






 「安心しろ、そんな気は全くない。それは前話した通り、絶対やめた方がいいだろ?ただ、リベルがこの国にいる理由にならないもんか――と思っただけだ」

 



 「それならいいが……私はカレンさんに好感を持ったからこれからも友人として接したいと思ったが、二人共打算的な付き合いをするならやめた方がいいと思うよ?」




 「当然だ。それに、俺もカレンさんを気に入ったからな」




 「私だってカレンさんに人として好感を持ったから仲良くするのよ。だから、アンタが心配してるようなことは何も起こらないわ」




 「そうか。どうやら杞憂だったようだね」






 二人の言葉を聞いて安心した様子のアルフレッド


 

 アルフレッドは、カレンを利用して起こり得ることを懸念していたのだ




 もしそれでカレンが何かに巻き込まれててしまったら?


 そしてリベルがもし、それで怒ってしまったら?




 カレンを利用して起こり得る問題など、いくらでも想像出来ることだった


 

 また、その問題で起こる被害は想像が出来ない




 アルフレッドはその事に瞬時に思い至り、懸念していたのだ





 


 「それじゃあ、ギルドの部屋にでも行くか。誘いに来た時行ってた報告を聞くとしよう」

 



 「そうですね。……フフッ。なんか最近私達、

リベルの話ばっかりじゃない?」




 「アハハハハ!仕方ないさ。何せ話題が絶えない程、次から次へと湧いてくるだろ?だからセシルも今日呼んだわけだし、これはこれからも続くだろうね」

 



 「そうね。それより、リベルに食事を奢り続けたらお金がスッカラカンになりそうよ」



 

 「ハーッハッハッ!それは間違いねぇな。何、俺がその分依頼を出してやるから安心して使っちまえ」

 





 セシルの言葉に、そんな状況が容易に想像出来て笑っていたアーグとアルフレッド



 三人は賑やかにギルドへ向かって行ったが、セシルの報告を聞いてすぐ黙ることになった——

 





 

  





 

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