第11話 魔法講座part2
爆破魔法は結構危ない魔法だったな。いや、俺のイメージがよくなかっただけかもしれないけど。次は付与魔法だ。なんとなくの想像はつくが、とても楽しみである。
「いや、まさかあんな風になるとは思わなかったよ。ちょっと直しとこうか。」
なんの魔法だろうか?なにが起こっているかはわからないが、俺の爆破魔法が壊した地形が元通りになる。俺も使えるようになりたいな。
「はーい、次は付与魔法です。まずはお手元の石をお取りくださいな?」
お手元には石がないので近くから石を一つ拾った。
「では、これに付与魔法をかけていきます。『
そういって師匠は俺に石を渡してくる。ブロックエンチャント?握ってみてってことは固くなってるんだろうか。とりあえず握ってみようか。
「フッ!」
グッ!っと力を込めたが割れることはなかった。少しヒビは入ったけれど。俺の今のSTR値なら石ぐらい簡単に割れるはずだ。やっぱり固くなってる……いや、ものにもステータスがあるとしたら?ならこれはVIT値を増やしたってことなんだろうか。いやでも……
「やっぱり割れなかったね。これは『
筋力?耐久力?俺の知ってるステータスじゃないぞ……もしかしてSTRとかVITとかは俺たち専用の言葉なのか?……うん、そうっぽいな。まあ師匠との会話では筋力とか師匠に合わせて、俺自身で考えるときはSTRとか使っていこう。
……ととと、今は付与魔法のお時間だ。そういえばSTRとかだけじゃなくてHP、MPも増やせるんだな。結構驚きである。
「付与魔法っていうのはこれだけじゃないんだけど、最初はこれとかで付与の感覚を掴むんだ。これは今までの魔法と違って人に直接作用する魔法だからね。一度のミスが命に関わったりすることもあるんだ。」
「うっす……やってみます!」
俺は石のステータスのSTRを増やすことに挑戦してみる。理由としてはそのまま使えないかなとか思ったからだ。STRの上がった石を投げて攻撃したら結構痛いんじゃないのということである。
「《我が体に宿る魔力よ、その魔力を纏わせ強化しろ!》『
手に持っていた石を強化して近くの木に向かって全力投球した。普通の石ならコツンと当たって弾かれることだろう。だが、この強化した石では木にめり込んだ。
「お、結構上昇値高そうだね。一発でちゃんと成功させるしやっぱすごいなぁ。」
どうやらお褒めの言葉をいただけたみたいである。それにしても上昇値が高そうとは?
「ん?ああ、上昇値の話してなかったっけ?人によっておんなじだけの魔力を使ってもどれだけステータスが上昇するかは変わってくるんだ。上昇値を後天的に上げる方法は見つかってないはずだけど、同じ武器とかに使ってると慣れてきて上昇値が上がることはあるんだ。だから付与魔法使いは基本的にずーっと同じ武器を使い続けるんだよね。」
なにやらありがたーいお話があった。上昇値と呼ばれるまあ
「最後は神聖魔法だよ。見せれなくてゴメンね。まずはどういうものなのか知るところからいこっか!」
神聖魔法の講座が始まった。神聖魔法というのは神に敵対するものである魔物や悪魔に対して特効を持つ魔法であり、それ以外に使うと基本魔法である四大属性よりも弱くなるんだとか。だから悪魔である師匠に使えるわけがないと。
それで神聖魔法を使うためにはどうやら神への信仰心、とやらが必要になるらしい。神への信仰心と言われましても……ってことなんですが。あれ?これ使えないんじゃね?
「人間って全員強制というか、誘導っていうか教会に入信させられるんだよね。だから適正があれば使えたんだけど……そっか、スイの故郷にはそういうのなかったんだ。……とまあ最終手段であります。最終手段っていうのはですね、
「どういうことですか?」
「神じゃなくても誰かに信仰心を持ってさえいれば。つまり神聖魔法の発動条件は神に限らない信仰心ってことなんじゃないかっていう説を立証しようってことだ。」
「え?俺は誰に信仰心を持てばいいんですか?」
「ん?ボク以外ありえなくない?」
「え?」
「え?」
ちょーっと待って?え?俺が師匠に信仰心を持つってこと?出来るかなぁ……無理なんじゃないかと思ってくる。だって師匠だぜ?いや、アスタだぜ?もうわけて考えるしかないんだろうか。それならまだいける気がしてくる。
「神聖魔法で一番簡単なのはホーリーだよ。やってみよう!」
「は~い。《我が体に宿る魔力よ、魔を滅して光で照らせ!》『ホーリー』!」
途中まではいいかんじだったんだが……滅しての辺りから魔法が発動してる感覚がなくなった。初めての魔法の失敗か……いや、切り替えていこう!
「えー!?ボクへの信仰心少ない!?」
そりゃそうです。胸に手を当てて考えてみてください。
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