第5話 実感
「まずは挨拶代わりに一発食らっとけ!『ロックボール』!」
俺は詠唱を破棄して魔法を放つ。アスタ師匠の伝言により、火の魔法は禁止されているため一番火力の高い魔法は使えない。さぁ、どう戦うか……
「ギャオオ!!!」
「おーおー痛ぇか!ならもっと食らわせてやる!『ウィンドアロー』!」
魔物は生物、つまりは有機物だ。【対物強化】のスキルの恩恵は受けられない。改めて俺の武器を確認しよう。基本属性、四属性の上位魔法までを詠唱破棄で打てる。そして希少属性を下位魔法なら打つことが出来る。あとは無魔法を少しだけ……どうやって倒そうか……
「《我が体に宿る魔力よ、鎧となりて我が体を守れ!》『マジックアーマー』!」
とりあえず身体能力を向上させる魔法を詠唱をして使う。このくらいなら詠唱をした方が効果の高さと天秤にかけたとき、効果の高さのほうが上回るのだ。特に身体強化の魔法はちょっとの強化倍率の違いが勝敗をわけることもあるからな。
「続いていくぞ!『ロックバレット』!『ロックウォール』!」
石の礫を緑竜の目に向かって放ち、石の壁を足元に作り出して自身を空中へと射出する。
「まだまだ!『ウィンドクリエイト』!」
今この間にもステータスが上昇しているのを感じる。上昇するSTRに身を任せ、魔法で剣を創り出した。
「オラァァ!!!!」
ザクッ!ブシャァ!!
上から剣を緑竜に突き立てると、緑色の血が噴き出す。魔物の血は総じて緑色なのだそうだ。師匠から事前に聞いていた俺は驚かずに追撃のために手を上げる。
「《我が体に宿る魔力よ、流星となりて敵を押しつぶせ!》『ロックメテオ』!」
手の先に石がどんどん集まって巨大な岩が形成される。それを俺が緑竜から飛び退くのと同時に緑竜へと向けて発射する。
ドンッ!!
魔法の威力とかではなく単なる質量での押しつぶし。単純な攻撃が一番効くってこれ昔から言われてるから。
「もうそろ終わりだろ!止めだ!うおおおお!!!」
手に握った剣で最後の止めを刺しに行く。しかし緑竜も無抵抗でやられるわけがない。緑竜の口元に魔力が集中し始めた。これは……
「すべての力をこの一振りに集約させろ!《我が体に宿る魔力よ、風の刃となりて敵を切り裂け!》『
最初の魔法を剣に纏わせ、次の魔法で俺を押し出してスピードを力へと変える。緑竜も
「ハァァァァァァ!!!」
「グオオオ!!」
ドスン!
斬られた緑竜が倒れる。その後、俺の脳内にアナウンスが響いた。
『レベルが上がりました。ステータスが上昇しました。』
『今までの行動を参照……スキルを獲得します。スキル【剣術Ⅰ】を取得。』
よし、レベル上がったな。ゲットしたスキルは【剣術】か……まあ使えないことはないって感じか?魔法に関するスキルは入手出来ねぇのかな……
『特殊効果:
『
『スキル【
……え?
♢♢♢♢♢♢
は?え、ちょちょっと待って!いきなりぶっこまれた情報量が多すぎるんだが!
「ま、とりあえず狩りを続けましょー!!」
色んな情報が降ってわいたので頭のキャパを完全にオーバーしたので何も考えずに狩りを続けることにした。そして1時間ほど狩りを続けた結果がこれだ。
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名前:夜桜 翠 レベル:41
スキル:【肉体回復Ⅲ】【対物強化Ⅱ】【魔力感知Ⅴ】【魔力操作Ⅴ】【魔力回復Ⅲ】【剣術Ⅱ】【
HP:750/750 MP:1560/1560
STR:214 VIT:79 AGI:269
INT:514 MIN:142 DEX:124
称号:【異世界からの来訪者】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
うーん、とりあえずおかしいね。これが
「アスタ師匠!」
「あー、おかえり。スイ。」
俺はとりあえずこの情報を持って師匠の下へと向かった。俺にはわからないが、師匠ならなにか分かるかもしれないからな。
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