登場人物紹介 ~サブキャラ編1~
■ペトル
救いの里の元幹部。幹部として悠々自適の生活を送っていたが、心の奥底ではそんな日々に退屈を感じて刺激を求めていた。なかなかの切れ者でガラルドの正体にも気付いていたが、あえて泳がせていた。
フランツとの知恵比べに敗れ女神と一緒に殺されるはずだったが、アレンの我儘と「女神殺しの罪を被る」という条件によって命拾いをする。
その後商会を立ち上げ、再び悠々自適の生活を取り戻したところでアレンと再会する。協力を求めるアレンに対し無理難題をふっかけるが、逆に言いくるめられて渋々手を貸すこととなる。
戦いが終わった後はアレンの代わりにベシスの参謀役として忙しい日々を送っており、ちょくちょくアレンとエトンのもと訪れては文句を言っている。しかし刺激を求めずにはいられない性分なので実際は今の生活を気に入っている。
★裏話
敵でもあり味方でもある複雑な立場のキャラクター。他は敵味方の立場がはっきりしているキャラばかりなので、ペトルのどっちに転ぶか分からない立ち位置は書いていて楽しかったです。女神編を書いてる途中から「終盤の方で再登場させよう!」と考えてました。
アレンに対しては創り上げた理想郷を潰された恨みを抱いていますが、命を救われた恩も僅かながらに感じています。一応は協力関係ですが自分よりも格下の相手に従うつもりはなく、度々アレンを試すような言動を繰り返していました。最終的にはアレンとエトンを認め、各国の首脳がアレンに協力するように取り計らいました。
勇者との戦いでアレンを庇って死ぬ案も考えましたが、自分を犠牲にするようなタイプではないのでボツにしました。犠牲になる程仲良くもないです。
名前は新約聖書の「ペテロ」から。ちなみにガラルドが呼ばれていたイウダは「ユダ」です。ペトルというのは救いの里内で用いていた仮の名前ですが、誰にも本名を明かさないため周囲からは半ば本名として認識されています。ちなみにソラール商会のソラールとは「solar」のことですが、何故ソーラーではなくソラールなのかは別の機会に書く予定です。
■ミーナ
救いの里で宿屋を営んでいた女性。母の死をきっかけに父親と共に救いの里にやって来た。女神に傾倒して日に日に変わっていく父に対して嫌悪感を抱いていたが、たった一人の肉親を見捨てることもできずに鬱屈とした毎日を送っていた。当然女神に対する信仰心などなく、そこに目を付けられ魂と罪の救済の対象に選ばれるが、すんでのところをフランツたちに救われ彼らに協力する。
救いの里から解放された少し後に父を亡くし、喪失感を埋めるためにソラール商会で働くようになる。行商人として各地を回っていた時に勇者に攫われるが、再びアレンに救われ勇者を倒すために協力することになる。
戦いが終わった後は不在となったペトルに代わって商会の代表を務めている。
★裏話
一番紆余曲折あったキャラクター。最初は宿屋の若い男主人で、さらには女神に殺されるという役回りでした。(宿屋の主人の死体を発見したことにより、女神が裏で人を殺していたことに気が付くという筋書き)
その後宿屋の主人の娘という設定に変えたのですが、話の結末も大きく異なっていました。当初は父親を殺されたミーナが「父さんを返してよ!」とフランツたちに泣き
名前は『キングスフィールド3』の「ミーナ・クー」から。彼女も平民のため苗字はありません。
■アルフレッド・ド・ドレスティア
ベシスの第一王子。眉目秀麗な美青年。凛々しい顔立ちと気品溢れる高貴な佇まいで、ベシスの女性陣から絶大な人気を誇る。
城を訪れたフランツたちの話によって勇者の真相を知り、妹のマーガレットを救うために自ら戦いへの参加を志願する。王族や貴族の大半は平民を下に見ているが、若さ故に平民に対する差別意識は薄く、アレンたちに対しても比較的フランクに接する。
魔族を倒し無事にマーガレットを救い出したことで彼の目的は果たされたが、妹を助けてもらった恩に報いるために勇者との戦いに身を投じる。
戦いが終わった数年後に王位を継承し、新たなベシス国王として日々尽力している。アレンとの身分を超えた友情は彼が王になった後も変わらすに続いている。
★裏話
あいつこそがベシスの王子様(you are the prince of Bessis)。イケメン。ベシス国王の協力に説得力を持たせるために登場させたのですが、その後もいい働きをしてくれました。妹と生きて再会を果たしたアルフレッドと、妹を無残に殺されたアレンという対比を意識しています。
名前は王子様っぽい音の響きから。アルフレッドってどことなく王子様っぽくないですか?
苗字のド・ドレスティアは名前と苗字で「ドドド」と音を連続させると面白いかなと思って付けました。ドドドってどことなく面白くないですか?
■エドワード・ド・ドレスティア
ベシス国王。魔王軍に対しては静観を決め込んでいたが、フランツの策略によって否応なく戦いに巻き込まれていく。
王女であるマーガレットが勇者に攫われていることを知ってシゼに兵を送るが、魔族によって返り討ちに遭う。最初は魔族にアレンたちを売る算段だったが、魔族を討ち取ったことによって考えを変える。その後現れた勇者に対しても一計を案じてアレンに協力を続けた。
戦いが終わった数年後には息子であるアルフレッドに王位を譲り渡し、隠居生活を満喫している。
★裏話
ベシスの国王。中世ファンタジーには王様が付き物なので出しました。協力はしてくれたもののアレンたちを信用したわけではなく、あくまで国のためにはその方がいいと判断した結果です。娘であるマーガレットについても親として気にかけてはいますが、最悪の場合切り捨てるつもりでした。その点はアルフレッドとは大きく異なります。国を治める統治者としての責任の重さの違いでしょう。
名前は王様っぽい音の響きから。エドワード王って歴史の教科書に載ってませんでしたか?
王子と同じようにドドドにするために、名前の最後を「ド」にしました。ドドド。ジョジョみたい。
■マーガレット・ド・ドレスティア
ベシスの第一王女。容姿端麗な美少女。温和な性格と美しくもあどけない顔立ちで、ベシスの男性陣から絶大な人気を誇る。
その美しさ故に勇者に目を付けられ、秘密裏にシゼへと連れ去られた。魔族の"研究材料"として別室に連れていかれそうになったところをアレンの妹であるアニーに助けられる。その結果彼女は助かるが、アニーは魔族に惨殺される。そのことをずっと悔やんでおり贖罪をしたいと考えていたが、彼女自身は戦う力がないため歯がゆい思いをしていた。アレンが処刑されたと思い込み落ち込むエトンを叱咤したのはそのため。
内向的で人見知りが激しい性格だが、何故かエルダには懐いている。
★裏話
ベシスのお姫様。本編開始時にはシゼに囚われており、お姫様なので戦うこともしません。そのため出番もあまりありませんが、アルフレッドと同様にアレン兄妹の対比として重要な役割を担っています。彼女の存在がなければベシスの協力を得ることはできなかったでしょう。
名前は王女様っぽい名前の響きから。シャルロットとかでもよかったかも。名前の終わりが「ト」のため、ドドドにならなかったのはちょっと残念。
■クリフ・ハンガー
ベシス王国騎士団の隊長。マーガレット救出のためにシゼへと向かうが、魔族に返り討ちにされ多くの部下を失う。
王の密約を受けてスパイとしてアレンたちに同行するが、ガラルドの戦いに感化され共に魔族を打ち破る。勇者との戦いでは兵士共々アレンの囮となり、勇者を打ち破るきっかけを作った。
戦いが終わった後もベシス騎士団の中核として活躍している。
★裏話
騎士団なら団長が正しいのではないかと思い始めた今日この頃。書き終わってから気付きましたが、面白いのでそのままにしておきます。
この作品は現地民が頑張るお話なので、クリフにも見せ場を作りました。騎士団の長だけあって剣技は勇者にも劣りません。ただやはりチート能力には勝てなかったというところです。
ガラルドには過去に敵として戦った因縁もあり、いい印象を抱いてはいませんでしたが、その実力は認めています。また、仲間を逃がすために犠牲になったことに対しても敬意を感じており、ガラルドの死に対しては喜びとも悲しみともつかない複雑な感情を抱いています。
ガラルドは星になった── クリフが無意識のうちに抱いていたのは「畏敬」の念であった──
涙は流さなかったが無言の男の詩があった──奇妙な友情があった――
名前はそのまんま作劇手法の「クリフハンガー」から。彼も貴族階級のため苗字持ちですが、本編では出てきません。
■エルダ
ベシスお抱えの魔法研究家。魔法の復興を掲げて国王直々に召し抱えられ、日夜研究に励んでいる。さしたる成果も挙げられずその存在意義を疑問視されていたが、その研究成果が魔族と勇者を打ち破る大きな足掛かりとなる。
明るく陽気かつマイペースな性格で、ガラルド以上に独特な口調で喋る。自分の名を冠した「見エルダちゃん」という自作の眼鏡をかけており、それを外すとかなりの美人。しかし本人は容姿や身だしなみにはまったく無頓着である。
魔族との戦いで魔法の闇の部分を目の当たりにするが、魔法の可能性を信じ戦いが終わった後も研究を続けている。
★裏話
よくありがちな奇天烈な研究者キャラ。ここら辺から登場人物が増えてきて、口調の書き分けに悩んだ結果、ムックみたいな喋りかたになりました。
「研究者ならぐるぐる眼鏡だよね!」と思ってかけさせたのですが、「待てよ……? この世界に眼鏡は存在するのか……?」と悩んだ挙句、「だったら本人が作ったことにすればいいじゃん。眼鏡を」という結論に至りました。
名前は『トロピカル~ジュ!プリキュア』の「エルダ」から。見エルダちゃんもそこから名付けました。
ちなみに彼女はアルフレッドとマーガレットの腹違いの姉です。国王が若気の至りで城のメイドに手を出した結果ですが、母親が早くに亡くなったため国王が引き取りました。しかし国王と側近以外はその事実を知りません。ベシスの国家機密です。
■ゴードン
ベシスの都に住む町医者。クリフとは旧知の仲。実直な人柄と確かな腕前で医者としての評判はよく、人々から信頼されている。
村の火災で大火傷を負ったアレンの弟のトムを治療していた際に、意識を取り戻したトムから勇者の真相を聞き、大層驚いた。
戦いが終わった後もベシスの町医者として人々の治療を続けている。
★裏話
アレンが最初に会った人。家族を失ったアレンを気にかけてくれるいい人。ティサナ村の火災の調査隊に人が集まったのは、彼の信頼の篤さがあったからこそです。
名前は『アルジャーノンに花束を』の「チャーリー・ゴードン」から。
■アリス
ゴードンの妻。医者の妻なのでそれなりの医療知識を持ち合わせている。家を空けることが多いゴードンに代わって、トムの看病をしていた。
穏やかでお喋り好きな貴婦人だが、負傷したエトンに有無を言わさず治療を受けさせようとする強引な面もある。
戦いが終わってからもアレンとエトンとは家族ぐるみの付き合いを続けている。
★裏話
ゴードンの奥さん。彼女もまたアレンのことを気にかけてくれていました。特にトムが亡くなってからは常にアレンの身を案じていました。ぶっきらぼうなゴードンに代わって患者の精神面をケアすることが多いです。
名前は『アルジャーノンに花束を』の「アリス・キニヤン」から。
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