設定資料
登場人物紹介 ~メインキャラ編~
■アレン
山間の小さな村に住む朴訥な青年。自然豊かな故郷の村で家族と共に慎ましくも幸せに暮らしていたが、突如村を襲った火災により全てを失う。絶望のどん底にいたところをフランツと出会い、勇者を追う旅に出る。
勉学とは無縁の生活を過ごし、頭が切れる方ではなかったが、フランツの薫陶を受けて覚醒。勇者を追い詰めるまでに成長を遂げる。
戦いが終わった後はベシスの都に移り住み、エトンと二人で穏やかに暮らしている。
★裏話
本作の主人公。主人公だけあって一番最初に設定が決まったキャラクター。この作品のコンセプトが「現地民の村人が知恵と勇気でチート転生者と戦う」というものだったので、それを際立たせるために特殊能力も何もない地味な主人公になりました。弓が得意ですが、村一番の弓名人ぐらいのレベルです。
名前は「村人A」でAから始まる名前にしました。この世界の平民は苗字を持たないので、苗字はありません。
■エトン
山間の小さな村に住む少女。故郷の村で家族と穏やかに暮らしていたが、魔王軍の侵攻によって全てを失う。一人生き延び彷徨っている時に元武術家の老人の話を聞き、弟子入りを志願する。
老人の下で数年間修行した後、勇者一行と出会い仲間に加わる。その後アレンたちとの出会いによって真相を知り、勇者を裏切ることになる。
真面目だが直情的な性格で勇者にも利用され続けていたが、彼女もまたフランツたちとの出会いによって大きく成長していく。
実はアレンと戦った時に色々と悪口を言われたことを少し根に持っている
★裏話
フランツ一行の紅一点兼ヒロイン。ですが当初の構想では存在すらしていませんでした。最初はフランツ、ガラルド、アレンの三人で話を進める予定でしたが、ラストを考える時に「家族も仲間も失って一人だけ生き残ったら、アレンは死を選ぶだろうな」と思ってそれを止めてくれるメンバーを追加することにしました。
最初は魔女の弟子にしようかと考えましたが、味方側に魔法が使える人物がいると何でもありになりそうなので止めました。結局武闘家という設定に落ち着いたのですが、戦闘シーンも増え、敵が仲間になるという熱い展開が書けたので良かったです。
名前は『ディスガイア』の「エトナ」から。エトナと入力しようとしたらタイプミスでエトンになり、音の響きがいいので流用しました。検索したらギリシャ神話に登場する巨大なハゲタカが同じ名前であることが分かり「ハゲタカかぁ……」と思いましたが、音の響きを優先しました。
■ガラルド
シゼ出身の筋骨隆々な色黒の大男。シゼの兵士として各地を荒らし回り、人々から恐れられていたが、勇者に敗れた魔王軍が攻め込んできたことにより祖国を失う。唯一生き延び再起を図ろうとしていたところをフランツと出会い、仲間に加わる。
豪快で陽気なムードメーカーだが、敵とみなした相手は躊躇いなく殺す残虐さを併せ持つ危険な男。シゼ特有の独特な口調で話す。その強さを生かし、フランツ一行の主戦力として活躍するが勇者の力には遠く及ばず、アレンたちを逃がすために自ら囮となって死亡する。
女神を討ち取り都に滞在していた頃、アレンを様々な夜遊びに連れ出した。その時の出来事はアレンにとって楽しい想い出となっている。
★裏話
主人公の兄貴分兼悪友ポジション。バトル担当。おかげで戦闘シーンが大幅に増えました。
「個性を出すために特徴的な喋り方にしよう!」という安易な発想によりカナ混じりの喋り方にしたのですが、これが後に自分を大いに苦しめることに。どこをカタカナにするのか、変な場所で変換するので書いていてテンポが悪い、カタカナにすべき場所の変換忘れなどとにかく苦労しました。
主人公側の人物ですが、正義の味方ではありません。最後に囮となったのも麗しい自己犠牲ではなく、今までの行いの因果応報として書いています。
最初はラルドという名前にするつもりでしたが、検索したらイタリア語で「豚の脂肪」という意味であることが分かり「豚の脂肪かぁ……」と思って少しだけ変えました。こちらは音の響きは優先されず。
■フランツ
謎の力により突如異世界へと飛ばされた男性。見知らぬ土地に放り出された上に変貌した自分の姿に困惑しきりだったが、持ち前の知識と好奇心で一から言語を学んでいく。言葉を覚えた後はこの世界についてさらに深く理解するために旅に出る。その中で魔王と勇者の存在を知り、両者を追うようになる。
謎の力により若返っているが、実際はなかなかのお爺さん。数年前に妻を亡くしてからは一人で暮らしていた。
この世界に来る前は文化人類学者として大学で教鞭を執っており、研究のために世界各地へ赴き様々な民族と触れ合う機会も多かった。言葉が全く通じない状況にもすぐ対応できたのもそのため。
旅の中で出会ったガラルド、アレン、エトンを導き真相にたどり着くが、魔族との戦いで死に至る魔法をかけられ、彼らに後を託して息を引き取る。
★裏話
主人公の師匠ポジション。勇者より前に異世界へと飛ばされた日本人。当初はアレンたちと同じ現地民の学者という設定でしたが、「勇者と同じ異世界転生者ということにした方が面白いのでは?」と思って変えました。結果的に身に着けた力で異世界の人々と交流を深めたフランツと、たまたま手に入った力で人々を脅かした勇者という、いい感じの対比になったので良かったです。
本編では日本語ではなく現地語で話している設定です。頭のいい切れ者キャラにしたつもりなのですが、実際のところどうなんでしょうか。
名前は『フィニアスとファーブ』の「ハインツ・ドゥーフェンシュマーツ」から。ハインツをもじってフランツにしました。ちなみにトレードマークの帽子は、同作品のエージェントPがかぶっているものをイメージしてます(よく分からない人は検索してね!)
■ジャンヌ・ドゥルク
ノームの王国騎士団長の娘。幼い頃より現団長である父に厳しく鍛えられる。将来は騎士団に入隊し初の女団長となるはずだったが、弟が生まれたことによりお払い箱となる。
剣しか生きる道を知らない彼女は、自分が必要なくなったと考え衝動的に家を飛び出す。自らの存在を証明するために辻斬りまがいの行動を繰り返していたところを勇者と出会い、そのままなし崩しに仲間となった。その頃には既に魔王は倒されており、その少し後にエトンが仲間に加わる。
失踪した女神の情報を聞き出すためにガラルドと戦うが敗北。怒りと屈辱によって正気を失うが、エトンの説得によって正気を取り戻しフランツたちの仲間になる。だが、最後は後を追ってきた魔女によって殺される。
★裏話
エトンと同じく書いてる途中で生まれたキャラクター。最後まで改心することなくエトンとの決闘の末に死亡する予定でしたが、魔女の邪悪さを強調するためにエトンではなく魔女に殺される展開に変えました。でも結局死ぬことは変わらない可哀想な人。面識もあまりないまま退場したため、アレンの回想にもほとんど出てきません。その分、エトンはずっと彼女のことを覚えています。
名前はそのまんま「ジャンヌ・ダルク」から。「女騎士でジャンヌじゃちょっと安直すぎるな……」と思い色々と世界の女騎士の名前を調べましたが、あまりしっくる来る名前が見つからなかったので結局ジャンヌに落ち着きました。名のある名家の生まれのため苗字を持っていますが、本編では出てきません。
■勇者
どこにでもいる普通のサラリーマン。営業成績は芳しくなく、社内での評判も悪い。
ある日後輩に陰口を叩かれていることを知るが直接やり返す勇気もなく、夜な夜な近所の公園に毒餌を撒いて憂さ晴らしをしていた。
いつものように毒餌を撒きに来たところ職務質問を受けて逃走するが、逃げる途中で階段を踏み外し大怪我を追う。意識を失う前に謎の声を聞き、目覚めると異世界へと飛ばされていた。
最初は真面目に魔王と戦っていたが、仲間となった魔族に
★裏話
本作の悪役でありラスボス。「主人公、異世界転生してねーじゃん!」と思った人もいたかと思いますが、異世界転生していたのはこっちでした。厳密に言えば異世界転移ですが、別人として生まれ変わったので異世界転生物ということにしておきます。
勇者が作中で使っている力は全て魔法によって付与されたもので、言葉が分からなくなったのも魔法によって言葉が分かるようになっていたからです。
また勇者一行には意図的に名前を設定していません。名前は相手を知る第一歩であり、名前を知ることで初めて相手を一人の人間として認識できるようになるからです。そのためエトンとジャンヌも仲間になるまで名前を伏せていました。
アレンたちにとって勇者一行は、名前を知る必要のない"敵"であるということを表しています。
■女神
勇者一行の女性。裕福な家に生まれ何不自由なく暮らしていたが、祖国の敗戦により姉と共に奴隷として売り飛ばされる。姉が文字通り体で稼いで得た金のおかげで自由の身を取り戻すが、自身の勘違いにより姉を殺害。発狂しその記憶を封印する。その後自らを女神と名乗り各地を転々としている最中に、その美貌に見初められた勇者により仲間に引き入れられる。
勇者の仲間となった後は救いの里を開き信者達を住まわせるが、その裏で「魂と罪の救済」と称して教えに従わない信者を殺していた。最後は潜入したフランツとガラルドによって腹を一突きにされ死亡する。
★裏話
自分を女神だと思い込んでいる精神異常者。最初は本当に天界からやって来た女神という設定でしたが、風呂敷を広げ過ぎて収集が付かなくなりそうなので止めました。最初の方に書いただけあって、読み返すと設定が荒く感じますね。彼女が殺人に走るようになった経緯をもう少し丁寧に書けば良かったなぁと若干心残りです。ちなみに彼女の祖国を滅ぼしたのはシゼです。
■魔女
大賢者ムラトハザルの孫娘。祖父から英才教育を受けた優秀な魔法使いだが、双子の姉に対し強い対抗心を燃やしていた。ある日実験と偽ってその姉を異世界へを飛ばすという凶行に走る。その出来事にショックを受けたムラトハザルはこの世から魔法を葬り去ろうと考えるが、彼女が魔法を手放すことはなかった。
自分の力を世界中に知らしめるために魔王と戦っていたところを勇者と出会う。勇者の前では猫をかぶっているが、裏では全員を見下し嫌っている。最後は自らが放った炎の魔法を跳ね返され、一瞬の内に焼け死んだ。
★裏話
自己愛が肥大化しすぎた承認欲求モンスター。自分の優秀さを知らしめるためだけに魔王と戦っていたある意味凄まじい根性の持ち主。書いている途中で設定が変わるキャラが多い中、彼女だけは最後まで設定が変わりませんでした。目的がはっきりしている分、書きやすいキャラでした。
魔法を使う際に杖を振るのは、集中力を高めるルーティーンのようなものです。ちなみに彼女が持っていた鏡は幼い頃に姉から貰った物で、間延びした喋り方は姉の模倣です。
■魔族
大昔迫害を受けて異世界へと旅立った一族の子孫。この世界を侵略するために魔王軍の参謀としてやって来た。相手の苦しむことや嫌がることを的確に見抜き、魔王軍の快進撃に大いに貢献していた。だが、勇者の登場によって旗色が悪くなるとあっさりと裏切り、勇者に寝返った。
魔王を倒した後、その事実を隠蔽するように勇者を
★裏話
他人が苦しむ姿を見るのが好きな性格破綻者。ある意味諸悪の根源。当初は魔界から来た本当の悪魔で女神と対をなす存在でしたが、女神の設定が変わったためこちらも変更を余儀なくされました。異世界の環境によって肌の色が変わったという設定は我ながらよくできていると思います。「悪魔の一族」で「魔族」というのも気に入っています。
勇者が動物を虐めて憂さ晴らしをするような歪んだ人間であると見抜き、言葉巧みに利用していました。
彼女もまた優秀な魔法使いで、人を死に至らしめる魔法が得意です。勇者の力は魔法によるものと見抜き、それを解除するために魔力を込めた腕輪を作っていました。何故そんな物を作ったかというと、力を失って絶望する勇者の顔を見るためです。ちなみにシゼの国境付近で蠢いていた大量の骸骨は、殺された魔王軍の兵士たちです。魔族が死体を再利用することを提案し、魔女が操っていました。
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